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2024.01.06

ユーザーによる修理を「制限」するアップル、決定的な違いを見せるグーグル

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アップルが消費者による端末の修理に制限をかける一方で、グーグルはNexus時代の方針に立ち返り、Pixelにおいても修理がしやすい方針を打ち出している。

グーグルは最近、修理に対して前向きで、端末の寿命を延ばす施策を次々と発表している。例えば、同社はソフトウェアのサポート期間を7年に延長したが、これは現在市場に出回っているどのスマートフォンよりも長い。また、修理サービス企業のiFixitと提携してPixelの純正部品を7年間供給するほか、ユーザーがデバイスの潜在的な問題を即座に発見できる新たな診断ツールをリリースした。

グーグルのメッセージは明確だ。それは、グーグル製品を購入すれば、その後の何年間もユーザーの面倒を見るというものだ。一方でアップルは、それとは対照的に、独立系の修理業者による修理を重視していない。

アップルは、シリアル化と呼ばれる部品のペアリングをポリシーとしており、非正規の業者が同社のデバイスを修理することを困難にしている。筆者は最近の記事の中で、このシリアル化について以下のように説明している。

「アップルは、個々の部品に固有のシリアル番号をふった集積回路を追加している。例えば、iPhone 15のバッテリーやその他の部品を交換する場合、同社からしか購入できない純正部品を使用する必要がある。その部品には、対応する固有のシリアル番号が付与されており、アップル独自のキャリブレーションツールを使用して同期させる必要がある。シリアル化は、カメラからディスプレイまで、iPhoneやMacBook Pro、iPadのあらゆる部品に適用されている」

iPhone15のディスプレイを別のiPhone15に装着すると、そのデバイスは新しいディスプレイを純正品として認識せず、一部の機能が失われる可能性がある。これを防ぐためには、アップルが認証したツールを使ってキャリブレーションをする必要があるのだ。

このキャリブレーションツールは、アップルと同社が認定した修理工場でしか使うことができない。これを使わずにバッテリーを交換した場合、iPhone 15のバッテリー管理機能が失われる恐れがある。また、iPadのディスプレイを交換すると、Apple Pencilで曲がりくねった線しか書けなくなる可能性もある。こうした問題は、複数のアップル端末で起きている。これに対し、グーグルのPixel 8では、パーツのペアリングは不要だ。
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編集=上田裕資

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