薄れる「PS5 Pro」の存在価値 不要感はPS4 Proより大きい

安井克至
・また、人々はこのところ、大幅な物価上昇に見舞われている。PS4 Proの米国での価格はPS4と同じ400ドルだったが(編集注:日本での価格は、PS4が3万9980円だったのに対し、PS4 Proが4万4980円と約5000円高かった)、「PS5 Pro」の価格設定は今のところはっきりしない。オリジナルモデルの価格は、ディスクドライブなしのデジタル・エディションが450ドル(日本での価格は3万9980円)、ディスクドライブ搭載の標準モデルが500ドル(同4万9980円)だった。最近登場した新型PS5は、デジタル・エディションが450ドル(同5万9980円)、別売りのディスクドライブが80ドル(同1万1980円)。「PS5 Pro」は最低でも500ドルになりそうだ。

・最後に、現在のPS5世代は、独占タイトルをめぐる状況が少し奇妙である点を指摘したい。『Horizon Forbidden West』や『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』のような大作の多くは、PS4でも発売された。すでに1億1700万台が売れたPS4の所有者を反故にしたくなかったのだろう。PS5専用の大作ゲームは数えるほどしかなく、その中でも最大のタイトルが昨年の『Marvel's Spider-Man 2』だ。今年はというと、めぼしいタイトルは『FINAL FANTASY VII REBIRTH』くらいと、若干寂しい状況になりそうだ。今後、新たなタイトルが発表されるかもしれないが、少なくとも現時点では、PS5から大きな恩恵を得られると感じられるゲームはほとんどない。

私は、ロックスター・ゲームスが近く発売予定の超期待作『Grand Theft Auto VI』(GTA6)が「PS5 Pro」への買い替えを促す最大の要因となるかもしれないと、本気で考えている。ロックスターがよっぽどのヘマをしない限り、GTA6は史上最大級のヒットゲームになることは確定しており、多くのプレイヤーが、この一世代に一度のタイトルを初めてプレイするために最高のハードを求めることは容易に想像できる(私もその1人だ)。Xboxの性能強化モデルが出ず、PC版ソフトも少なくとも1年は発売されないとすれば、最高のハードは「PS5 Pro」だ。ただし、GTA6の発売は2025年の予定で、それより遅れる可能性もある。

今は「PS5 Pro」の公式発表を待つ段階だが、その時期は近づいている。だがソニーは今回、Proモデルの存在価値をもっとうまくアピールする必要があるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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