エアラインランキングは独自の7段階の評価法を用いて、世界の航空会社385社の安全性と機内サービスを評価している。評価に当たっては、重大事象や最近の死亡事故、航空当局や業界団体による監査、安全への取り組み、専門家によるパイロット訓練の評価、保有機体の年齢など、さまざまな要素を総合的に考慮している。ただし、この評価では、航空機への鳥の衝突や乱気流による負傷、天候の変化や落雷といった航空会社が制御できない要素は除外される。
エアラインランキングは例年、世界の安全な航空会社上位20社を発表していたが、今年は25社に拡大した。その理由について、同サイトのジェフリー・トーマス編集長は「今年は航空会社間の格差があまりにも小さかったため、上位25社を発表することにした」と説明している。
今年の世界の安全な航空会社ランキングで1位の座を獲得したのは、新たに設けられた安全性と運航の卓越性に関する基準で競合他社を抑えたニュージーランド航空だった。同社は2022年にも優勝している。トーマス編集長は、ニュージーランドの首都ウェリントンの空港が世界で最も風の強い空港の1つであることや、同国のクイーンズタウン空港が「操縦の難所」であることを指摘した上で「ニュージーランド航空はパイロットの技量が試されるような厳しい気象条件の中で運航している」と説明。さらに「同社は最新技術に重点を置いており、保有機材はその点で最先端だ」と評価した。
第2位に選ばれたのは、昨年の覇者カンタス航空だ。トーマス編集長によれば、1位と2位の安全性の差はわずか1.5ポイントと、極めて小さかったという。カンタス航空が2位に甘んじた理由は機材の老朽化だったが、同社は今年、新機材を投入する予定だという。
最も安全な航空会社ランキングでは、国際的な大手航空会社が上位を占めた。だが、米国の航空会社で上位10位以内に入ったのは、10位のアラスカ航空1社だけだった。同社も昨年の8位から後退している。ハワイアン航空は21位で、12位だった昨年から大きく順位を下げた。アメリカン航空は22位(昨年の19位から後退)、ユナイテッド航空は25位(同14位から後退)だった。トーマス編集長は「米国の航空会社は保有機材の老朽化が足を引っ張っているが、各社は機材の更新に取り組んでおり、それがランキングに反映されるには時間がかかる」と説明した。