2022年時点では、第239戦車連隊はT-72戦車の連隊だった。しかし、失敗に終わった同年2月から3月にかけての電撃的なキーウ進攻作戦で打撃を受け、同年後半のウクライナ軍による東部ハルキウでの反攻を阻止しようとした際にも損害を被ったあと、少なくとも一部の補充にはより新しいT-90戦車が用いられている。
第239戦車連隊の現状兵力は大隊に近いかもしれない。米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は2023年11月初め、第239連隊を「兵力不足」と指摘していた。
新しい戦車も少ない弱小連隊が、アウジーイウカ方面で大きな変化をもたらすとは考えにくい。ウクライナの分析グループであるフロンテリジェンス・インサイトは3日、ウクライナ側の防衛は維持されており「アウジーイウカの状況は引き続き比較的安定している」と評価している。
第239戦車連隊の戦車と3人の乗員はむしろ、アウジーイウカの飢えた口に食われる新たな連隊になる可能性が高い。
ロシア側にとっては、またしても大きな失敗になるということだ。ロシア軍はその結果、今冬に大きな前進を遂げるのに必要な戦闘力を奪われるだろう。
ウクライナ側にとっては、現状維持ということになる。きわめて困難な状況にありながら、ウクライナ軍は持ちこたえている。少しずつだが前進していた昨夏と違って、現在は前進できていないが、後退もしていない。
ウクライナ軍は兵力を温存しつつ、ロシア軍が攻撃を仕かけてくるたびにひどい損害を与えているのだ。
(forbes.com 原文)