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2024.01.05 09:45

林業から「鉄」の世界へ。田島圭二郎の人生を賭けた挑戦

EVERSTEELの創業者、田島圭二郎

不純物が混入しないための対策を

鉄のリサイクルにおける課題は、原料となる鉄スクラップに不純物が含まれる場合があり、品質が安定しないこと。
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田島は大学の修士課程で、不純物のリサイクルへの影響を評価する研究に取り組んだ。そして研究を進めていくうちに、不純物の混入を前提とするのではなく、混入しないための対策が重要なのではと考えるようになった。

不純物の混入を防ぐには、鉄スクラップの徹底した品質チェックがカギとなる。ところが鉄スクラップはその形状や不純物が多岐にわたり、品質チェックの機械化が難しい。毎日大量に鉄スクラップが持ち込まれる鉄鋼メーカーの工場では、1人1日200トンのスクラップをすべて目視でチェックしているという現状があった。

「スキルの属人化が甚だしく、若い人材も入ってこない。鉄のリサイクルを促進するためには、この不純物チェックのプロセスを解決する必要がありました」
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田島が思いついたのが、人の目のかわりにAIの画像認識を利用すること。画像認識を使えば、トラックに入っている鉄スクラップを瞬時に判定できる、また、24時間休むことなく稼働させられるのだ。そこでスイスに留学し、画像認識に関する技術を学んだ。

帰国後してすぐに、共同事業者の佐伯に声をかけた。

「当時は佐伯とルームシェアをしていて。狭い部屋で毎晩一緒にご飯を食べながら、起業について話していました」

創業前の2020年度には、情報処理推進機構の未踏アドバンスト事業に採択された。そこで、1000万円の資金提供やプロジェクトマネージャーからのアドバイスをもらった。さらに、学内でもスタートアップに知見のある教授からのアドバイスや、スタートアップの成長支援プログラムの資金提供などを受け、起業への道を切り拓いていった。

そして、2021年3月にEVERSTEELを起業。田島は、一度は社会人経験を積みたいと新卒で4月に就職したが、2カ月で退職。6月から本格的に事業をスタートした。

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文=三ツ井香菜 取材・編集=田中友梨 撮影=山田大輔

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