医療と旅行の安全支援サービスを提供するインターナショナルSOSが、毎年恒例の「リスクマップ」の2024年版を発表した。今年、旅行するのに最も安全な国、最も危険な国、そして旅行者が直面するかもしれない大きな問題の予測など、旅行者にとって貴重な知見を提供している。
世界の安全保障から地政学的な緊張に至るまで、旅行時の不確実性が高い時代において、最も安全な渡航先を知ることはこれまで以上に重要だ。
インターナショナルSOSのリスクマップは、安全や医療、メンタルヘルスなど、いくつかの分野に焦点を当てている。世界的な気温上昇に伴い、今年は気候関連のリスクも追加された。カテゴリーごとに各国を5段階で評価している。
世界で最も安全な国
2024年に最も安全な旅行先はどこだろうか。インターナショナルSOSの安全評価は、政治的な動機による暴力、社会不安、暴力犯罪や軽犯罪の発生率など、様々な要因に基づいている。そのほか、交通インフラや労使関係、警備・救急サービスの有効性、自然災害の発生しやすさなども考慮している。このリスクマップによると、安定性と効果的な統治で知られるスカンジナビアの国々が引き続き安全な旅行先の上位にきている。トップはアイスランド。暴力犯罪の発生率の低さ、政治的な動機による暴力の少なさ、外国人に対する暴力の少なさなどが理由だ。
第2位はルクセンブルクで、同国では旅行者に対する安全上の脅威は極めて小さい。そしてノルウェー、スイス、デンマークと続く。これら上位国は、政治情勢が安定していること、法執行機関がしっかりしていること、犯罪や暴力の発生率が低いことが評価された。
スロベニア、フィンランド、グリーンランドも上位に入っている。
米国も日本も、低リスクとされているが、最も安全な国というわけではない。5段階で2番目の評価だ。
安全性のリスク評価が下がっている地域もある。最も顕著なのは、ネパールの一部とエルサルバドルで、多くの要素が持続的に低下傾向にあることで評価が下がった。
最も安全な国々の安定性は、最もリスクの高い国々の状況とは対照的だ。高リスク国は政情不安を抱え、政府による管理が弱い。世界で最も安全性のリスクが高い国は南スーダンで、続いてアフガニスタン、シリア、リビア、ソマリアとなっている。