医療リスク
旅行中に医療を受けられるかどうかは最も重要な懸念事項だ。インターナショナルSOSによると、旅行者の60%が、旅行保険に加入するのは主に緊急時に医療を受けられるようにするためだと答えている。医療リスクに関しては、医療へのアクセスから、救急医療サービスの水準、医薬品の供給、そして文化的、言語的または行政的障壁まで、地域特有の様々な要因に基づいて評価している。低リスクなのは米国、カナダ、日本、オーストラリア、欧州のほとんどの国、英国など。先進的な医療インフラとサービスが主な要因だ。
逆に医療リスクの高い国は北朝鮮、アフガニスタン、イラク、ソマリアなど。
気候変動リスク
リスクマップに気候変動が新たに加わったことは、旅行計画において環境という要素の重要性が高まっていることを浮き彫りにしている。その評価は、INFORM気候変動リスク指数のデータに基づいている。「欧州は2023年に史上最も厳しい熱波に襲われたが、猛暑が引き起こしたさまざまな現象は今後、普通のことになるかもしれない。猛暑が身体に与える影響に加えて、メンタルヘルスにも重大な悪影響が及ぶおそれがある」と、インターナショナルSOSのグローバル・メディカル・ディレクターであるアイリーン・ライ医師は声明で指摘した。
気候リスクが最も少ない国は、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークのほか、カザフスタンやアラブ首長国連邦、ニュージーランドなど。
米国や日本は、5段階で2番目に低リスクの評価だ。リスクが最も高い国としては、マリやチャド、エチオピア、モザンビークなどアフリカ中央部に位置する国々が挙げられている。そのほか、フィリピンやパプアニューギニア、インドなども、気候変動の影響によるリスクが高いとされた。
メンタルヘルスリスク
インターナショナルSOSは、うつ病や不安障害、双極性障害、摂食障害、統合失調症など、メンタルヘルスの問題を抱える人口の割合に基づき、メンタルヘルスに関わるリスクを国別にランク付けしている。評価には米ワシントン大学の保健指標評価研究所がまとめたデータを使用している。メンタルヘルスリスクが最も少ない国はベトナム。逆に最もリスクが高いのはスペイン、ポルトガル、アイルランド、イランだ。米国もリスクが高めで、5段階で2番目に高いとされている。日本はちょうど真ん中の3番目だ。
(forbes.com 原文)