米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターは、同性婚を最も支持している、あるいは支持していない国に関する最新の調査結果を公表した。
調査は、北米、欧州、中東、南米、アフリカ、アジア太平洋地域の32カ国で行われた。調査対象となった国のうち、同性婚の合法化を支持する国民の割合が最も高かったのはスウェーデンで、成人の92%に上った。同国は、各国の法律を評価基準の一部に加えた別の報告書「LGBTQ+の旅行安全指数」でも、カナダに次ぐ第2位だった。一方、同性婚に対する支持率が最も低かったのはナイジェリアで、成人のわずか2%にとどまった。
ピュー・リサーチ・センターは、同性婚に対する考え方は国によって大きく異なっており、それを支持する国民の割合が最も高いのは西欧諸国だと説明。他方で、ポーランドでは成人の10人に4人、ハンガリーでは10人に3人が支持しているに過ぎず、欧州の他の地域では同性婚に対する支持率が西欧ほど高くないことが明らかになった。
北米に目を向けると、同性婚の合法化に賛成する国民の割合が最も高かったのはカナダで、79%に上った。これを巡る国民の意識は米国とメキシコで類似しており、ともに63%だった。米国では2015年、連邦最高裁判所が同性婚の権利は憲法によって保障されるとの判決を下し、合法化に至った。
今回の調査結果で興味深いのは、イタリアでは同性婚が合法化されていないにもかかわらず、回答者の73%が同性婚の容認を支持していたことだ。逆に、南アフリカはアフリカ諸国の中で唯一、同性カップルが合法的に結婚できる国だが、国民の約59%が同性婚に反対している。また、日本では同性婚を支持する国民の割合は高いが、法制化には至っていない。
そのほか、日常生活の中で宗教が「ある程度」または「非常に」重要だと回答した国民が多い国ほど、同性婚の合法化に対する支持率が低いことも分かった。
今回の調査は、カトリック教会が同性婚に「祝福」を与えることを認めるというローマ教皇庁の先月の発表に先立って行われた。
同性婚を支持する成人の割合に関するランキングは以下の通り。
同性婚の合法化に対する支持率が高い国
1位 スウェーデン(92%)2位 オランダ(89%)
3位 スペイン(87%)
4位 フランス(82%)
5位 ドイツ(80%)
6位 カナダ(79%)
7位 オーストラリア(75%)
8位 英国(74%)
9位 イタリア(73%)
10位 日本(68%)
同性婚の合法化に対する支持率が低い国
28位 スリランカ(23%)29位 マレーシア(17%)
30位 ケニア(9%)
31位 インドネシア(5%)
32位 ナイジェリア(2%)
(forbes.com 原文)