経済

2024.01.01 10:30

世界人口、2023年に約1%増加 伸び率は鈍化傾向

Getty Images

Getty Images

米国勢調査局は、1月1日時点の世界人口を80億1987万6189人と推定している。これは1年前の2023年初頭と比較すると約1%、7516万2541人の増加となるが、世界人口の伸び率は緩やかになりつつある。

同局は今月、世界全体で毎秒4.3人が生まれ、同2.0人が死亡すると予測。米国の人口は、米東部時間の1月1日午前0時時点で3億3589万3238人になると推定している。これは昨年初頭との比較で175万9535人増、前回の国勢調査が行われた2020年4月1日からは444万3957人の増加となる。

同国では今月、出生は9秒に1人、死亡は9.5秒に1人の割合で発生すると推定されている。外国から米国への純移民数は、新型コロナウイルスの流行時は渡航制限や国境封鎖のために落ち込んだが、2022年末には流行前の水準に戻り、28.3秒に1人の割合で人口が増加するとみられている。出生、死亡、移民の予測を総合すると、米国の人口は24.2秒に1人の割合で増加する見通し。

米ブルッキングス研究所で人口統計学を専門とするウィリアム・フレイは米AP通信に対し、現在の米国の人口増加率が2020年代末まで続けば、史上最も人口の伸び率が低い10年になる可能性があると語った。

国連は2022年11月、世界人口が80億人に達したと見られると発表した。70億人の節目を迎えたのは、その11年前だった。アントニオ・グテレス国連事務総長は、科学の急速な発展と栄養状態や公衆衛生の改善が人口増加につながっていると述べた。

一方、米国勢調査局の推計では、世界人口が80億人に達したのは昨年9月26日とされている。国連の推計との相違について、同局は、一部の国では国勢調査の不備や、出生と死亡を正確に記録するシステムがないことが原因だと指摘している。同局は昨年11月、1960年代に頂点に達した世界の人口増加率は、今後も下降の一途をたどるとの見方を示していた。出生率の低下や若年層の割合の縮小などの要因により人口増加率が鈍化しているため、同局は世界人口が90億人に達するには14年強、100億人に達するにはさらに16.4年かかると予測している。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、人口増加にも影響を及ぼした。2021年には出生時平均余命が世界全体で71歳まで低下。パンデミックからの回復速度は国によって異なる状況が生じている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事