対面のリアル開催にこだわる理由。オンライン配信の利点も活かす
CESは米ネバダ州ラスベガスのコンベンションセンターのほか、複数のリゾートホテルを会場として毎年1月初旬に開催されるエレクトロニクスの祭典だ。元はコンシューマーエレクトロニクスに関わる展示がメインだったが、近年はAI(人工知能)にモビリティ、ヘルステックやフードテックなど多種多様なイノベーションを取り込みながら規模を拡大してきた。2024年は3500を超える企業がCESに出展を予定する。また期間中は世界中から約13万人の来場者を見込む。日本からも多くの出展企業や来場者が集まる。
オンラインインタビューに応じてくれたCTAのコミスキー氏は、2020年からCESの運営チームに加わった。コロナ禍の中、2021年にはイベント史上初のフルデジタル(オンライン)開催となったCESが、再び大勢の出展社と来場者を迎えてリアルイベントとして実施できることがとても感慨深いと話すコミスキー氏の顔がほころんだ。
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックを超えて、再び対面形式によるCES開催に注力する理由をコミスキー氏に聞いた。
「パンデミックはCESのように大規模な展示会のあり方に大きな課題を突きつけました。主催する私たちは過去2年間に、デジタル配信の技術を駆使したオンラインイベントを実施するノウハウを身に着けました。遠隔地からでもインターネットを介して、あたかもCESを現場で体験しながら活気を共有するような没入感を提供することに挑戦してきました。デジタル配信が効果的な基調講演やカンファレンスについては、引き続きオンラインで開催する意義があると考えます」
CES 2024の主要なイベントの動画配信は公式サイトのライブストリームのほか、YouTubeの公式チャンネルでも実施を予定している。