CES 2024は「AIテクノロジーの最前線」
CESの注目度をさらに高めるため、CTAはいくつかの新しい試みに挑戦した。その1つはエレクトロニクスの成長分野に関わる出展社を、より積極的にCESに呼び込むことだ。2023年のCESにブースを出展した仏ロレアルが、今年は基調講演を実施する。現地時間1月9日にCEOのニコラ・イエロニムス氏がステージに登壇して、AIを搭載するモバイルアプリによるスキンケアガイド、ARを活用したメイクアップのシミュレーションなど最先端の「ビューティテック」を披露する。
コミスキー氏はCES 2024が「AIテクノロジーの最前線になるだろう」と期待を寄せる。
「CESにはAI機能を搭載するコンシューマ向けのさまざまなデバイスを手がけるメーカーから、クアルコムにAMD、インテルや旭化成など名だたる半導体メーカーが集まります。NVIDIAとの協業により、EVを生産する向上にAIやメタバースの技術を活用するデジタルツインを導入したメルセデス・ベンツが2024年もCESに出展します。オートモーティブやスマートホーム、ビューティ&ヘルスケアなどエレクトロニクスのカテゴリーをタテ軸で区分するとして、AIはすべてのカテゴリーを貫くテクノロジーの横串です。AIが各分野のイノベーションを押し上げながら成長を導いている全容を、CESの展示から俯瞰できると思います」
CESのメイン会場の1つであるラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)には、2023年から新しい展示エリアとなる「West Hall」がオープンした。従来からオートモーティブやモビリティのテック企業が多く軒を連ねる「North Hall」の展示と合わせて「CESが世界最大級の自動車ショーでもあること」もコミスキー氏は強調している。
「CES 2024では米Brunswick Corporationが新しく立ち上げたElectric Boat(電動船舶)のブランド『VEER』から最新製品が出展を予定しています。ホンダの電動垂直離着陸機(eVTOL)の動向には私自身も大いに注目しています。中国のXPENG AEROHTや、韓国ヒュンデのグループ企業であるSupernalが今年のCESでどんな航空モビリティを見せてくれるのかとても楽しみです」