ビル・ゲイツが1月に予言したように、AIは今年最もホットなトピックとなり、合成音声から動画まで、あらゆるものを生成できるAIツールを提供する新興企業が相次いで市場に登場した。年初の時点ではChatGPTはグーグル検索を置き換えられるかどうかが問われていたが、それ以降、AI技術が大きな進歩を遂げてきたことは明らかだ。
OpenAIのCEOサム・アルトマンは1月にフォーブスに対して「私は、検索の先に何があるのかを考えることにとても興味があります……まったく違った、もっとクールな方法は何でしょうか?」と語っている。
技術の急速な進歩は、ベンチャーキャピタリストの注目を集め、膨大な資金がこの分野に投資された。先陣を切ったのはマイクロソフトによるOpenAIへの100億ドル(約1兆4000億円)の投資で、現在、OpenAIの評価額は800億ドル(約11兆3000億円)に達していると報じられている。6月には、注目のAIスタートアップ、InflectionがAIチャットボットPi(パイ)をリリースし、40億ドル(約5700億円)の評価額の下に13億ドル(約1800億円)を調達した。その1カ月後、膨大なオープンソースAIモデルのホスティングを行うHugging Faceの評価額が40億ドル(約5700億円)に達した。アマゾンは9月、OpenAIに挑戦するAnthropicに40億ドル(約5700億円)を投資する計画を発表した。Anthropicは7月に独自の会話型チャットボットClaude 2.0を展開し、現在250億ドル(約3兆5300億円)の評価を受けている。
しかし、すべてのAI創業者が資金調達の道を順調に歩んできたわけではない。テキストから画像を生成する人気AIモデルStable Diffusionを開発したStability AIは、2022年9月に評価額10億ドル(約1400億円)の下に資金調達を行ったが、それ以降は資金調達に苦戦している。CEOのエマド・モスタックは自身の経歴や会社の戦略的パートナーシップについて投資家に誤解を招く主張をしていたことが6月のフォーブスの調査で明らかになった。12月にはスタンフォード大学の研究で、Stable Diffusionのトレーニングに使用されたデータセットに、違法な児童性的虐待素材が含まれていることが判明した。