マーケティングデータ解析などを行うアクロスソリューションズとプラットフォーム事業などを展開するオークファンが運営するアニメ情報サイト「アニメのお時間です!」は、20代から60代の男女約2400人を対象に、日本の3DGCアニメに関するアンケート調査を行った。その結果、日本の3DCGアニメが「好き」と「どちらかといえば好き」が合わせて約30パーセント、「嫌い」と「どちらかといえば嫌い」が合わせて約25パーセントという結果になった。いちばん多いのは「どちらともいえない」の45パーセント。好きと嫌いが約3割でほぼ拮抗している。
好きだと答えた人にどこが好きかを尋ねると、CG特有の滑らかなアニメーション、リアルなビジュアル、カメラワークの自由度、多種多彩なエフェクト表現などといった映像技術関連の答えが多かった。おもしろいことに、嫌いという人に嫌いな理由を尋ねると、CG特有の滑らかなアニメーションとカメラワークの自由度が、好きな人とほぼ同じ割合で「イヤ」となっていた。またほぼ3割の人が「もともと2Dだったキャラが3Dになったことに対する違和感」を訴えている。
年代別の違いもある。カメラワークの自由度がいいと答えたのは20代が23.1パーセント、60代が13.3パーセントと世代で差が出た。3Dゲームなどで自由に視点が変えられる環境に慣れている人たちはリッチなカメラワークを好み、昔ながらの紙芝居的なアニメが好きな世代には「やかましい」と感じられるのかもしれない。
回答者がどんな3DCGアニメ作品を思い浮かべたかによっても、ずいぶん意見は変わるはずだ。最新の高度な3DCGアニメには感動的に素晴らしいものがあるし、昔から見慣れているベタな2Dのアニメがいきなり3Dになると、誰だって妙に感じる。
気になるのは、3DCGアニメーションが嫌いな人の理由の4位「手書きとくらべて手抜きに感じる」だ。たしかに、半端な3Dは見ていると尻がムズムズする。しかし大量のセル画の制作は過酷な労働だと聞く。3DCGである程度自動化できるなら、働き方改革として許容すべきかもしれない。今後はどんどん技術が発達して違和感も減っていくと期待して、長い目で応援しよう。
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