働き方

2024.01.03

「起業家特有のメンタルヘルス」を健康に保つために 5つのノウハウ

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起業家は、自身のメンタルヘルスに影響を及ぼしかねない、起業家ならではの問題を抱えていることが多い。Hubspot(ハブスポット)の記事によると、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のマイケル・フリーマン博士による研究で、調査対象となった起業家のうち、実に72%がメンタルヘルスに問題が生じた経験があるという、驚くべき数字が明かされた。これに対し、一般の人々でこの経験がある人の割合は48%しかない。

この調査結果は、起業家特有のライフスタイルに合わせた効果的なメンタルヘルス戦略を確立する喫緊の必要性を裏付けるものだ。

起業家特有の思考様式を理解する

起業家は、課題や不確実性に直面すると、むしろ燃えるタイプが多い。だがこうした障壁は、まさにストレスやメンタルヘルスの問題を引き起こす原因になり得る。対策に向けた最初のステップは、まずは自分のメンタルヘルスに問題が生じている兆候をきちんと察知することだ。

「会社を率いるリーダーは、高いプレッシャーがかかる環境で働くことが多いだけに、起業家は、自身のメンタル面での健康を最優先事項としなければならない」。そう語るのは、認知心理学・行動心理学の専門家、キャロルアン・トゥテラだ。ホルモン補充療法を提供するSottoPelle(ソットペッレ)社の最高経営責任者(CEO)でもある同氏は、著書の中で、起業家にとってのメンタルヘルスの重要性を強く訴えてきた。

ウーマンズ・ワールドやUSAトゥデイにも寄稿してきたトゥテラの研究や出版物からは、メンタルヘルスと実業界での成功の相互作用について、価値のある知見を得ることができる。

精神面における健康の維持に役立つ、5つのノウハウ

1. 仕事と生活の間に境界線を設ける

2023年の時点で、米国ではフルタイム勤務の従業員のうち、12.7%が在宅勤務者だ。28.2%はリモートとオフィス勤務を組み合わせるハイブリッドモデルで働いている。そして2025年までには、総計3260万人の米国人が在宅で働くことになると予測されている。また、リモートワークの方が全体的に労働時間が長くなる傾向があることが、複数の研究で判明している。

仕事とプライベートな生活のあいだに明確な境界線を設けることは非常に重要だ。常に「オン」状態の生活は、いずれ破綻する。トゥテラは、燃え尽きを防ぐためには、具体的な労働時間の上限を定め、それを厳格に守らなければならないと説いている。この点は、在宅勤務の場合には特に重要になるという。

2. 身体の健康を優先する

身体の健康は、精神の健康に大きな影響を及ぼす。定期的な運動と、バランスの取れた食事、十分な睡眠は、精神の健康な状態を維持するために不可欠だ。

地域のコミュニティで近所の人たちと一緒に汗を流し、定期的に血液検査をしてホルモンやテストステロンのバランスに問題がないかチェックすることを、トゥテラは強く勧めている。
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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