バイオ

2023.12.27 17:00

生物医学実験に使われたサルは、その後どうしているのか?

保護にかける情熱

アンジェラ・マルドラドはコロンビアの首都ボゴタで生まれ、早くから自分は獣医になることを信じていたが、血が苦手だったため、考えを変えた。

「家庭の事情で経営学を学びましたが、ウーリーモンキーをペット取引から救出した後、人生が変わりました。私はそのサルを森へ帰してやり、これこそが自分のやりたかったことだと気づきました」とマルドラドは言った。彼女はその後、霊長類保全の修士号を取得し、博士課程で保護と人類学を学んだ。

現在はコロンビア・アマゾン地域で25年以上働いている。

現地に出向く外国人研究者の多くが、地域の社会的環境や文化を理解していないため、失敗すると大きなダメージを与えかねない、とマルドラドは言う。

「地元の人たちに必要なものを理解すると、ミッションは個人的なものになります」と彼女は言う。「私はコロンビア人であり、その文化を理解していて、長期間にわたって意義のある変化を生み出すためにここにいます。そして私たちの研究チームのうちの4人は先住民族です。

もうひとりのサル研究者

コロンビアでサルを研究しているもう1人のコロンビア人が、人類学者のローラ・アボンダノだ。

現在テキサス大学オースティン校人類学科の博士研究員であるアボンダノによると、彼女の主要テーマであるアカウーリーモンキー(Lagothrix lagotricha poeppigii)は、他の多くの霊長類から逸脱したとても面白い行動をとるという。

「たとえば、ウーリーモンキーの間では、雌が雄を交尾に誘い、雄と交尾するために他の雌たちと積極的に競い合います。一方雄は、雌と交尾するために戦うことはありません」と彼女は言う。「むしろ雄たちは、交尾の最中でさえ、互いに寛容であるように見えます」

アボンダノは、ウーリーモンキーのように研究の進んでいない分野では、チンパンジーやマカク、ヒヒ、オマキザル、クモザルなどの種と異なり、強固な理論的背景を構築することが容易ではない、なぜなら、参考にすべき強固な先行研究が少ないからだと語った。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事