万人に愛された作家であるジュディ・ブルームが1970年に出版した小説をベースにした映画『神さま聞いてる?これが私の生きる道?!』(日本では2024年2月21日デジタル配信予定)は、今年4月に3343の米国の劇場で公開されたが、興行収入はわずか2030万ドル(約29億円)だった。しかし評論家や映画ファンは主演レイチェル・マクアダムスの演技を激賞し、映画レビューサイトRotten Tomatoesでは、評論家スコア99%、観客スコア95%という高い数字を記録していている。
ソフィア・コッポラ監督がプレスリー夫妻を描いた、イリー・スピーニーとジェイコブ・エロルディ主演の『プリシラ』(2024年4月日本公開予定)も、82%という評論家スコアを観客動員につなげることができず、2300館以上で公開されたが売上はわずか2070億ドルだった。
「ダム・マネー ウォール街を狙え!」(2024年2月日本公開予定)は、個人投資家たちがコンピュータゲーム小売店GameStopの株価をつり上げ一夜にして億万長者になった「ゲームストップ株騒動」を映画化した作品で、84%の評論家、85%の観客から支持されたが、集客には反映されず、9月に2837館で公開されたが売上は1390万ドル(約20億円)だった。
『ジョイライド:幸せへの道』は、4人が中国を旅するコメディ作品で、7月に2820の劇場で公開され、評論家の91%に愛されたが、興行収入はわずか1290万ドル(約18億円)で、2023年で高評価を得ながら興行的に最も失敗した作品の1つとなった。
「確かにひどく恐ろしいが、ジュディ・ブルームとケリー・フレモン監督の手によって、成長することが衝撃的に美しく描かれている」とガーディアン紙のローレン・メクリングは『神さま聞いてる?これが私の生きる道?!』について書いている。「願いを叶えてくれた作品」と『プリシラ』についてロサンゼルス・タイムズの映画評論家ジャスティン・チャンはNPRで語り「親密で不安になるほど誠実で突き刺さるように悲しい」と評した。そしてニューヨーク・タイムズの映画評論家エリザベス・ヴァンサンテッリは『ジョイライド:幸せへの道』について「低俗コメディを再発明することはできなかったかもしれないが、方向性は変えた。なによりもとにかくおもしろい」と書いている。