ところが、ディーゼルの特徴は違う。150psを発揮する2.0Lディーゼル・ターボの「X1 xDrive20d Mスポーツ」はマイルドハイブリッドの恩恵もあって、とにかくパワフルだ。出だしはガソリン仕様に多少劣るけど、走り出すと、加速性じゃほとんど差がない。この仕様には「Mスポーツ」という足回りのオプションが付いているので、乗り心地は固めでしっかりしているけど、前後に少しピッチング現象を起こす傾向がある。スポーティーなドライビングの好きな人は、大丈夫だろうけど、僕ならMスポーツではなく、一番ベーシックな足回り設定のxラインを選ぶと思う。
でも、燃費は凄い。BMWは公式で19.5/Lと言い張っているけど、リアルワールドでも、僕は20km/L近くまで記録したので、満タンでの航続距離は軽く1100kmを超える。燃費を気にする人なら、この事実を無視できないだろう。ほんと凄い燃費だから。
そして、今年最も話題を呼んだのは、電気自動車仕様の「iX1」だった。ガソリン仕様とディーゼル仕様と全く同じプラットフォームを採用しながら、静かでクリーンで速いパワートレーンを搭載している。僕が個人的に好きな部分は「Bモード」という回生ブレーキが良く効くモードだ。
これならワンペダルで運転できるので、少し慣れれば、アクセルを操作するだけで、加減速できるし、しかもアクセルを緩めると、自動的にブレーキを踏んで、クルマを完全に丁寧に止めてくれる。ただ、僕が乗った仕様は「iX1xDrive30 Mスポーツ」だったので、こちらも少し前後のピッチングを感じた。
ガソリン仕様とディーゼル仕様に比べて、iX1の加速は瞬発的なので、アクセルを少し踏んだだけでビューンと加速するのが楽しい。バッテリーは66.5kWhと、このクラスの標準的な容量。2モーター4駆にして最大航続距離はWLTCモードで465kmとBMWはいうけど、リアルワールドでは、400kmぐらいといえよう。
iX1は残量10%→80%に要する充電時間は出力8kWの普通充電で6時間30分、90kWの急速充電では50分となるけど、現状、50kW以上の急速充電器を見つけるのが難しい。