アジア

2023.12.25 09:00

中国、ムーディーズの格付け見通し引き下げに「反論」するも説得力なし

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中国政府はインフラ支出を地方政府に負わせることで、国の債務を低く抑えている。さらに、中国の金融への負荷は、中央政府、地方政府、民間など、あらゆる種類の債務が原因だ。この文脈では、誰が負債を抱えているかは問題ではない。重要なのは、全債務が金融システムにかけている負荷であり、この点で、中国は米国や日本よりも相対的に大きな問題を抱えている。
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ムーディーズはこの事実を明確に理解している。見通し引き下げの説明で、同社のアナリストらは公的債務と民間債務を区別したり、国と地方どちらの政府が最も大きな負債を抱えているかを示したりはせず、負債全体に適切に焦点を当てた。負債の多くは、借入金を返済できるほど十分な利益を生まないプロジェクトに関連していた。

ムーディーズのアナリストは、このような疑わしい債務の一部でも不履行となれば、国有、民間を問わず、中国の金融機関が将来の経済成長に必要な継続的投資を支援する能力が、著しく制限されると判断した。特に、中国の輸出は減少し、経済は減速しているため、この問題は「中国の財政、経済、金融機関に広範な下振れリスク」をもたらすとアナリストらは結論づけた。

ムーディーズの判断に対する中国政府の反論は、中国が問題を解決できると思わせるものではない。例えば、地方政府の債務問題に対する財政部の解決策は、インフラ関連の債務、いわゆる地方政府のインフラ投資会社である融資平台(LGFV)の再分類だ。だがそれは支払い義務を移すだけで、債務を軽減することはない。借金は金融システムにのし掛かったままだ。
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財政部はまた、インフラ支出を増大させてより早く経済成長を促す策にも言及した。だが、その資金をどのように賄うのか、また計画立案者がプロジェクトに伴う負債を返済できるほどの経済効果をいかに確保できるようにするか、説明はなかった。これらは、直近のインフラ整備の多くが十分な経済効果を得られなかったことから、最近特に懸念されている。

ムーディーズの見通しがあろうとなかろうと、中国の状況は決して楽観できるものではない。現在抱えている債務問題は深刻で、それは金融の安定と経済成長の見通しにとって脅威となっている。また、ムーディーズに対してだけでなく、ムーディーズが浮き彫りにした現実に対する中国政府の反応が十分でないのも問題だ。中国政府の対応は、この問題に対処する意志があるのか、あるいは直面している問題を理解しているのか、疑念を抱かせるものだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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