これまでにも同作の映像や登場キャラクターの情報は出回っていたが、違法コピーの流出により、無数のネタバレがネット上に拡散している。同作の発売は2026年とまだ先の予定であり、それまでにリークが広く出回ってしまうだろう。この問題により、インソムニアックはストーリーの一部を変更せざるを得ないかもしれないとの見方も出ている。
本記事ではもちろん、ストーリーのネタバレには触れない。それに「ニュース価値」があるとは誰も思わないし、いたずらに人々の体験を台無しにするだけだ。また、流出したゲームをダウンロードすることも推奨はしない。道徳的な理由だけでなく、完成までまだ何年も要するとみられるバージョンは極めて粗削りかつ未完成なものであり、ゲームを体験するのに最適なものとは思えないからだ。そしてもちろん、ハッキングにより流出した大量の未完成ゲームファイルをダウンロードする行為には、セキュリティ上のリスクがある。
今回の件は、ソニーとインソムニアックにとって、とんでもない災難となった。このような事件は、過去に数回しか起きていない。『Halo 2(ヘイロー 2)』は、発売1カ月前に違法コピーが流出。『Half-Life 2(ハーフライフ2)』は、コードの流出により開発が丸1年遅れた。今回の問題が『Wolverine』開発にどう影響するかはまだわからないが、同作や他のゲームに短期であれ長期であれ遅延が生じることは、容易に想像できる。
『Wolverine』などインソムニアックの新作を楽しみにしているプレイヤーたちが、これ以上のリーク情報拡散を防ぐために一丸となることを願いたいものだが、実際にはそれを望めないことは、過去の例を見てもわかる。今回のリークはすでに、PlayStation派とXbox派のプレイヤーの間での「ゲーム機戦争」に発展している。一部のプレイヤーは、『Wolverine』の初期バージョンの映像を引き合いにして同作を批判したり、人々のインソムニアックに対する扱いが過去にリーク被害に遭った企業に対するものよりも「甘い」と主張したりしている。ゲーマーのコミュニティーに連帯感がみられないことは、驚きではない。
上記のように、流出したコピーに手を出すべきでない理由は複数ある。しかし、いくら避けようとしても、発売までまだ数年ある中でネット上のあらゆる場所に浮上するネタバレを避けるのは、多くの人にとってほぼ不可能だろう。今回のハッキングでさまざまな問題に直面しているインソムニアックにとっては、大きな打撃だ。
(forbes.com 原文)