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2023.12.25 08:30

香港のデジタル資産保険スタートアップ、ドバイ保険と提携 中東へ事業拡大

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創業7年の香港インシュアテック(保険テクノロジー)スタートアップ、OneDegree(ワンディグリー)は、アラブ首長国連邦(UAE)との関係を強化している。UAEのドバイは、暗号資産(仮想通貨)のハブとしての地位確立を目指している。

同社は15日、ドバイ保険から金額非公開の出資を受けたことを明らかにした。ドバイ保険は、ワンディグリーのデジタル資産保険分野への進出を支援する。

ワンディグリーの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のアルビン・クウォックによると、同社は今回の調達とは別に、6月に実施したシリーズBラウンドで5500万ドル(約79億円)を調達しており、累計調達額は1億ドルに近づいたという。出資元には、アリババ傘下のAEF大湾区基金、サンフンカイ、キャセイ・ベンチャー(国泰創投)が含まれる。クウォックは、同社の売上高を明らかにしなかったが、2024年後半までに黒字を達成する見込みだと述べた。

ワンディグリーは今後、ドバイで暗号資産関連の企業に対し、デジタル資産保険の提供を開始する。バイナンスやCrypto.com、OKXなどの暗号資産業界の大手企業が拠点を置くドバイでは、今年上期に暗号資産に関する新たな規制が施行され、取引所はユーザーの資金を保護するために保険加入が義務付けられている。

「当社は、アジアで初めての認可済みのデジタル資産の保険会社として、この市場の成長を促進すると同時に、より広範な地域の顧客を保護するためにドバイ保険と提携した」とクウォックは話す。彼は、JPモルガンに10年以上勤務し、アジア太平洋地域における新興テクノロジーの責任者を務めた経歴を持つ。

クウォックによると、上位20社の暗号資産取引所のうち、約半数がワンディグリーの保険に関心を示しており、既に数社が顧客になったという。同社は、これまで約30社にデジタル資産保険を提供しており、その中には、ジハン・ウーが設立したMatrixportのカストディアン部門であるCactus Custodyや、タイのサイアム商業銀行の投資部門が支援する暗号資産カストディアンのRakkar Digital、香港で認可された2つの取引所の1つであるHashkeyが含まれる。

クウォックは、デジタル資産保険サービスの顧客数が2024年末までに100社を超えると予想。また、ワンディグリーの事業に占めるデジタル資産保険事業の割合が、現在の30%から来年には約50%に増加するとみている。

「暗号資産市場が生まれてから最初の10年間は、人々はリターンだけを気にし、リスクを考えなかった。しかし、昨年後半のFTXの破綻以降に、当局やユーザーはリスク管理に注目するようになった」とクウォックは話す。

中東の湾岸諸国は、暗号資産に優しい政策をとることで海外企業を誘致しており、ワンディグリーのUAE進出もその流れに沿ったものだ。また、米中関係が緊迫する中、香港政府は中国本土に続いて中東諸国とのビジネス関係を強化している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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