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2023.12.26

「オープンソースAI」の基盤を作るReplicateが約58億円調達

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人工知能(AI)の開発競争が激化する中、誰でもコードを変更して使用できるオープンソースのAIモデルが、非オープン型のモデルを猛追している。これらのモデルの規模は拡大しており(メタの「Llama 2」のパラメータサイズは最大700億)、特定のタスクを実行する能力はChatGPTを上回るようになっている。
 
「オープンソースのAIツールへの関心の高まりは、このモデルのソフトウェアのホスティングと運用を行うスタートアップにとって絶好のチャンスだ」とReplicateのCEOであるベン・ファーシュマンは指摘する。Replicateは、2万5000を超えるオープンソースのAIモデルにアクセスできるプラットフォームで、200万人のソフトウェア開発者が利用している。
 
Replicateは、テキストをもとに画像を自動生成するStable Diffusion 2.0や、メタの大規模言語モデルのLlama 2などの人気のオープンソースモデルをライブラリに追加して、ユーザー数を伸ばしている。11月下旬にOpenAIの経営陣が突如交代した際も、トラフィックが増加したという。
 
「いつなくなるかわからない非オープンなプロプライエタリ型のプラットフォームに縛られたくないため、オープンソースモデルへの切り替えを検討するユーザーが増えている」とファーシュマンはいう。
 
サンフランシスコに本拠を置くReplicateは12月5日、アンドリーセン・ホロウィッツが主導し、エヌビディアのVC部門であるNVenturesやHeavybit、セコイア、Yコンビネータが参加したシリーズBラウンドで4000万ドル(約58億円)を調達したと発表した。関係者によると、このラウンドにおけるReplicateの評価額は3億5000万ドルに達したという。これにより、同社の累計調達額は約5800万ドルに達した。
 
ファーシュマンと共同創業者でCTOのアンドレアス・ヤンソンは、メタのLlama 2やStable Diffusionなどのオープンソースモデルが主流になる前から、ソフトウェア開発者にとって最新のAIモデルを使いやすくするプラットフォームの必要性を見出していた。
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編集=上田裕資

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