欧州

2023.12.22 11:00

EUが「世界最大級ポルノサイト」3社に対し規制を厳格化

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欧州連合(EU)は現地時間12月20日、世界最大級のポルノサイト3社を「超大規模オンラインプラットフォーム(VLOP)」に指定し、年齢認証の導入や違法コンテンツの削除などのデジタルサービス法(DSA)に基づく規制を課そうとしている。

DSAでは、EU域内の月間アクティブユーザー数が4500万人以上のサイトを超大規模オンラインプラットフォームと定義し、リスク管理や外部監査の実施を義務付けている。PornhubとStripchat、XVideosの3サイトは現在、この基準を満たしているとされ、来年2月17日までにDSAの基準を遵守することが求められる。

これらのプラットフォームは、ユーザーが児童ポルノなどの違法コンテンツにフラグを立てられるようにすることや、未成年者の安全とプライバシーを保護するためにシステムを再設計することを義務付けられる。さらに、個人の性的指向などのセンシティブなデータに基づくターゲット広告の停止や、コンテンツのモデレーションプロセスに関する報告書の開示を求められる。

今回の規制でEUは、各サイトが児童の性的虐待やディープフェイクポルノなどの違法コンテンツにどのように対処しているかについての外部監査による報告書を提出することを求めている。さらに、違法コンテンツの拡散防止や、未成年者がサイトへアクセスすることを防止するための年齢認証ツールの導入を義務付ける。

XVideosは、今年2月時点で、EU域内の月間平均利用者数が1億6000万人であると発表していた。一方、カナダに本拠を置くPornHubは7月時点のEU域内の月間平均利用者数が3300万人だと主張し、EUが定めるVLOPの基準に合致しないと述べている。だが、複数のNGOがPornHubの数字に異論を唱え、EUにサイトを規制するよう求めている。いくつかのポルノサイトの利用者数は「VLOP指定を一時的に逃れるために驚くほど少ない数字」になっていると、10月にEuropean Digital Rightsなど30のNGOは連名で欧州委員会に書簡を送った。

フォーブスは、XVideosとStripchatにコメントを求めたが即座に返答は得られなかった。

フィナンシャル・タイムズ紙は、EUの規制に先立ち、フランスやドイツを含むEU圏内の国々が、これらのサイトに年齢確認を義務付けようとしていると報じていた。米国でも、ミシシッピ州やバージニア州、ユタ州、アーカンソー州などの州で年齢確認によるポルノサイトの規制が試みられている。
 
欧州委員会は4月、フェイスブックやインスタグラム、TikTokなどの19サイトをVLOPに指定し、DSAの規制を8月までに遵守するよう求めていた。

DSAの規制に従わないプラットフォームは、全世界の年間収益の6%を上限とする罰金や、EU域内における利用禁止などの制裁を受ける可能性がある。EUはここ最近、メタやTikTok、X(旧ツイッター)に対し、イスラエルとハマスの戦争に関連する子どもの安全リスクや偽情報への対応について、追加の情報開示を求めている。欧州委員会は18日、Xが偽情報や違法コンテンツの拡散への対処を怠ったとして、初の正式な調査を開始した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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