宇宙的な視点をビジネスに応用する「スペースイノベーションフレームワーク」とは

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ビジネス界では、計画立案や意思決定、事業の進め方などの適切な考え方を具体化したフレームワーク思考法という言葉がよく使われるが、目先の利益に囚われず、宇宙的な壮大な視点でビジネスを考える「スペースイノベーションフレームワーク」という思考法が登場した。宇宙的思考方法は、はたしてビジネスに何をもたらすのだろうか。

TOPPANホールディングスは、2017年に人材開発ラボを開設し、次世代型人材開発の研究を続けている。2020年にはアーティストの思考ロジックをビジネスに応用するための「アートイノベーションフレームワーク」を開発し、さまざまな企業に提供しているが、このたび「スペースイノベーションフレームワーク」を発表した。宇宙規模の空間と時間の感覚で地球を俯瞰して、長期的視点で今行うべきビジネスを捉えることを目指すという。

スペースイノベーションフレームワークは、次の5つのステップで構成される。疑似的に宇宙に飛び出して空間感覚を広げ、既存の思考の枠組みを外す「航行」、宇宙、地球、人類の歩みを理解する「回顧」、地球と人類の現状を認識する「把握」、150年後の人類のあるべき姿を考える「責任」、未来の子どもたちの「良き先祖」になるために何をすべきかを考える「覚悟」となっている。これにより、グローバルを超えるユニバーサルな視点、哲学思考で本質を捉える力、科学の限界を超える思考の体得と強化を目指す。
高梨直紘教授による宇宙・天文パートの基調講演。

高梨直紘教授による宇宙・天文パートの基調講演。

このフレームワーク開発には、天文学を基礎とした知の構造化と統合化を研究する東京大学特任教授の高梨直紘氏、銀河天文学と観測的宇宙論を専門とする東京大学名誉教授の岡村定矩氏、哲学の専門知と方法論を活かした「哲学コンサルティング」を提供するクロス・フィロソフィーズ代表取締役社長の吉田幸司氏が監修に加わっている。
哲学パートの吉田幸司氏と受講者のディスカッション。

哲学パートの吉田幸司氏と受講者のディスカッション。

TOPPANはこれを、新しい価値を生み出す人材育成に活かすと同時に、これを活用した人材開発プログラムの販売も検討するということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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