2023年シーズンにオリックス・バファローズで171イニングを投げ、全球団で最高の防御率1.16を記録した山本は、日本プロ野球機構のパシフィック・リーグで3年連続MVP(最優秀選手)に輝き、ポスティングによってMLBに挑戦することを11月に宣言した。
この一週間、山本は複数のMLB球団から3億ドル以上の契約を打診されている、とMLBアナリストのジム・ボーデンとマリノ・ペペンは言う。
このことは、25歳右腕ルーキーの契約金額が、かつてMLBにやってきた大物日本人選手、大谷翔平(1年230万ドル、ロサンゼルス・エンゼルス)、ダルビッシュ有(6年6000万ドル、テキサス・レンジャーズ)、田中将大(7年1億5500万ドル、ニューヨーク・ヤンキース)、松坂大輔(6年5200万ドル、ボストン・レッドソックス)らを上回ることを意味する。
これはまた、韓国KBOリーグのハンファ・イーグルスでデビューし、2013年にドジャースと6年3600万ドルの契約を結び、2020年にはトロント・ブルージェイズと4年8000万ドルで契約した韓国人投手、柳 賢振(リュ・ヒョンジン)をも上回る。
山本の獲得競争には、ドジャース、ヤンキース、レッドソックス、ニューヨーク・メッツ、サンフランシスコ・ジャイアンツを含む10以上の球団が参加している、と山本の代理人を務めるジョエル・ウルフがFox Sportsに語った。
ピッツバーグ・パイレーツのゼネラルマネージャー(GM)で前レッドソックスGMのベン・シェリントンは、山本の実力を「世界レベルで傑出している」と、The Athletic誌のインタビューで称賛し、2023年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表としてオーストラリア戦で見せた4イニングを1安打で抑えたピッチングを例に挙げた。
現在25歳の山本は、高校卒業後の2017年に日本のプロ野球でデビューすると、一軍に定着した翌年から防御率3.00以下を毎年継続。6シーズンの通算成績で防御率1.82、勝率7割以上、沢村賞(MLBのサイ・ヤング賞に相当)3回受賞という輝かしい記録を残している。山本のMLBへの軌跡は、日本人スター投手のダルビッシュや田中、2001年にシアトル・マリナーズに入団しルーキーイヤーにアメリカンリーグMVPと新人王を獲得したイチロー外野手らと似た経路をたどっている。
日本のプロ野球から太平洋を渡った投手がすべてMLBで成功したわけではない。松坂は2007年に6年5200万ドルでレッドソックスと契約したが、防御率3.00を下回ったのは、167イニング2/3を投げて防御率2.90を記録した2008年の1シーズンだけだった。
7億ドル。これは大谷翔平がドジャースとの10年契約で受け取る金額だ。しかし二刀流のスーパースターは、2000万ドルを除く残り全額を10年後に延期して受け取ることを選んだ。契約条項によると、大谷は今後10年間、毎年200万ドルを受け取り、2034年から2043年の間に毎年6800万ドルずつ受け取る。これはドジャースに他のフリーエージェント選手と契約する支払い能力を与えるための方法だとアナリストらは考えている。
(forbes.com 原文)