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2024.01.13 15:30

鎌倉で日本文化体験。メタバースデザイン責任者が通う理由

日本の工芸と自然が好き。3年習っている茶道からクリエイティビティのヒントをもらうことも。

IAN SPALTER(Meta メタバースデザインディレクター):仕事で初来日した際、ふと入ったカフェで出合った柳宗理のスプーンの美しさに魅了され、そこから日本文化に興味をもち始めました。メタバースデザインのディレクターになる前は、Instagramのデザインやロゴの刷新を手がけていたのですが、2019年に日本責任者となるのを機に移住を決めました。

興味があるのは、ネイチャー(自然)とクラフト(工芸・民芸)。熊野古道や白馬をハイキングしたり、京都や佐賀の工房を訪ねたりするのが好きです。茶道も先生について学び始めてから3年がたちました。稽古の時間は心が落ち着くひとときで、茶器や茶室の建築など、日本の伝統文化を学ぶことにもつながっています。私がクリエイティビティや仕事で大切にしているのは、シンプルで気持ちよく使えるデザインであること。それは、心のTranquility(平穏、静謐)につながります。茶道も一見簡素に見えるけれど、道具やしつらえなどに繊細な心配りや理由が隠されていたりする。デジタルデザインとの共通点を感じますね。
茶道の稽古に通うイアン。心を落ち着かせる大切なひととき。道具や茶花にも趣を感じる。

茶道の稽古に通うイアン。心を落ち着かせる大切なひととき。道具や茶花にも趣を感じる。

岸家に家族と来たときには、子どもたちも茶花を生け、畳に座ってお茶を味わい、床掃除にも真剣に取り組んでいました。心を落ち着けて家族と過ごす時間はとても有意義。岸家は「Being Here (今ここ)」の大切さに気づかせてくれる場所なんです。
イアン・スパルター◎1976年、NY州生まれ。コンサル会社でナイキ+の機器やアプリ等を制作、フォースクエア、YouTubeのUXを担当後、Meta(旧フェイスブック)入社。2019年Instagramの日本責任者として来日。現在はメタバースデザインディレクターを務める。

イアン・スパルター◎1976年、NY州生まれ。コンサル会社でナイキ+の機器やアプリ等を制作、フォースクエア、YouTubeのUXを担当後、Meta(旧フェイスブック)入社。2019年Instagramの日本責任者として来日。現在はメタバースデザインディレクターを務める。


「エグゼクティブ異種交遊録」は、能動的に出会いを求めるアクティブな経営者たちを繋ぐ「場」と「機会」を提供するコミュニティ、Forbes JAPAN SALONの会員をつなぐ連載です。

文=松下久美 写真=若原瑞昌 撮影協力=モダン旅館 岸家

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年1月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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