モビリティ

2023.12.20 13:00

自動車ブランド別の事故率、トップはテスラ 米調査

米シカゴの高速道路で、事故により破損したテスラの「モデル3」(canadianPhotographer56 / Shutterstock.com)

米シカゴの高速道路で、事故により破損したテスラの「モデル3」(canadianPhotographer56 / Shutterstock.com)

LendingTreeが30の自動車ブランドを分析した結果、テスラのドライバーが最も事故を起こしやすいことが明らかになった。米国でのドライバー1000人当たりの事故件数は23.54件。全ブランド中でこれが20件を超えたのは、テスラのほかにはRam(22.76件)とスバル(20.90件)のみだった。
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ローンのオンラインマーケットプレイスを運営するLendingTreeは、傘下の保険見積もりサービス「QuoteWizard」の2022年11月14日から2023年11月14日までの見積もりデータ数千万件を分析し、各ブランドの事故率を計算した。

分析では因果関係は明らかにされておらず、事故が起きた理由は特定されていないが、テスラは最近、運転支援システム「オートパイロット」の問題により200万台以上をリコールしている。具体的には、運転支援システムの一部である「Autosteer(オートステア)」機能に安全性の問題が見つかった。このリコールは、テスラが米国で販売したほぼすべての車両が対象となる。

テスラは、世界で最も時価総額の高い自動車メーカーで、世界一の富豪イーロン・マスクが率いている。マスクは以前から完全な自動運転車を構想し、この技術の限界に挑戦してきた。
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米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、Autosteerが作動している特定の状況下で、同機能の操作と範囲についてドライバーが誤った認識を持ち、「高度運転支援機能の誤用」につながる可能性があると説明している。

リコールにより、ドライバーがオートパイロットを使用している際、注意を払っていることを確認するようにシステムが修正される。テスラのオートパイロット機能は完全な自動運転ではない。ドライバーは、本を読んだり居眠りをしたりはできず、同機能では対処できない問題が発生した場合に介入できるよう、常時準備している必要がある。

だが、この機能に頼りすぎて事故を起こす人がいる。米司法省は1年以上前、テスラのオートパイロットの作動中に十数件の事故が発生したことを受け、刑事事件として捜査を開始した。NHTSAは、オートパイロットが使用されていたとされる956件の事故を検証。その後、正面衝突や意図しないシステム解除の可能性による衝突を含む322件のオートパイロット関連事故に的を絞って調査を開始した。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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