次に、業種別ランキングを見ていこう。業種別では、保険や証券などで女性比率が高い金融業と、市場規模が大きい製造業に着目した。
金融業界で2位になったのは、生保大手の日本生命保険。2022年に100億円以上を投じ、正規の営業職員(9割以上は「生保レディー」)の賃上げに動いたことが話題になった。女性管理職の継続的な育成にも力を入れるとしている。
一方、女性従業員比率33%ながら製造業界2位にランクインしたのは、製薬大手のファイザーだ。注目すべきは「役員の38%が社内昇格の女性、それもmRNA・抗ウイルス医薬品部門や炎症・免疫部門など、主要事業のトップに選任されている」こと。また、家族や介護を想定した休暇と勤務制度の充実も高評価につながった。
データ分析にあたったサステナブル・ラボのインゴ・ティートベールは、こう総括する。
「ダイバーシティを旗印に、社内のみならず社会全体をけん引するような企業が、結果的に上位にランクインした。これは日本社会にとって、非常にポジティブなことだと感じている」