あらゆる治療法の開発を加速
マイトス以外にも、細胞培養の自動化に取り組んでいる企業は存在する。しかし、それらのソリューションはロボットアームを用いているため、人間と同じようにコンタミネーションを起こすリスクがあると、ケンブリッジの企業Tessera Therapeuticsでラボオートメーション担当ディレクターを務めるワリ・マリク(Wali Malik)は指摘する。同社は、マイトスの製品を導入している。ロボットアームが人間による細胞培養方法を模倣しているのとは対照的に、マイトスの製品は、ポンプのような単純で制御しやすいシステムを用いている。Buckley Venturesは、マイトスの自己完結型で流体ベースの自動化システムに将来性を感じて同社への出資を決めた。「細胞培養における課題を、既存プロセスにプラグアンドプレイする方式で解決したのは、まさに第一原理に基づいた思考(first principles thinking)だと言える」と、Buckley Venturesのマネージングディレクターであるジョシュ・バックリーは言う。
アフシャールによると、新たに調達した資金によって培養できる細胞株のラインナップを増やし、より多くの製薬会社のニーズに応えることが可能になるという。また、将来的にはがんなどの病気に対する細胞ベースの治療法の製造自動化を検討する計画だ。「このプロセスを自動化することで、われわれは開発中のあらゆる治療法の開発を加速できる」とアフシャールは語った。
(forbes.com 原文)