北米

2024.01.01 13:00

米政治家のAI活用、2024年選挙に向け加熱 その懸念点

トランプの逮捕現場のフェイク画像も拡散

ブルームバーグによると、先月開催されたアジア太平洋経済協力サミットで、ChatGPTや画像生成ツール「DALL-E」を開発したOpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はAIが選挙に与える潜在的な影響について懸念を示し、「危惧すべきは、われわれが既に把握している画像や動画の問題ではなく、まだ完全に理解されていない新しいもの全てだ」と述べたという。アルトマンは3月に行われたCNBCとのインタビューでも、AIツールが選挙に及ぼす影響について懸念を表明。OpenAIにとって2024年の大統領選挙が大きな焦点だとし、「AIモデルが大規模なデマに使用されることを特に心配している」と述べていた。

3月にトランプがマンハッタン地区の大陪審に詐欺罪で起訴される前には、トランプが逮捕される場面を描いたAI生成のフェイク画像がソーシャルメディアで拡散した。AI画像生成サービス「Midjourney」を使って作られたこの画像は、調査報道グループ「ベリングキャット(Bellingcat)」の創設者であるエリオット・ヒギンズが作成したものだった。

多くのユーザーは、この写真がフェイクであると見抜いていたが、X(旧ツイッター)上ではこの写真が本物だと信じ込む人もいた。ヒギンズはAP通信に対し、「多くの人は、トランプの足が3本もあるのはおかしいと気付くと思った」と語った。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

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