この記録的な上昇は、特にエネルギーや鉱業関連の企業の新規株式公開(IPO)によってもたらされた。今年ランクインした富豪の半数は、昨年よりも資産を増やしている。
大手財閥のジャルムグループを率いるロバート・ブディとマイケル・ハルトノの兄弟の保有資産は、前年から3億ドル増の480億ドルに達し、トップの座を維持した。2位には、石油化学とエネルギー関連の富豪のプラジョゴ・パンゲストゥがランクインした。彼の資産は前年の8倍以上の437億ドルに増加し、今年のリストで5つ順位を上げた。
パンゲストゥは、地熱エネルギーのバリト・リニューアブルズ・エナジーと炭鉱会社のペトリンド・ジャヤ・クレアシの2社を上場させたことで資産を増加させた。
3位は鉱山王のロー・タック・クウォンで、彼もまた石炭から富を得ている。ローは、国内第3位の石炭メーカーのバヤン・リソーシズが売上を伸ばしたことで、資産を121億ドルから272億ドルへと2倍以上に増加させた。
4位はシナル・マス財閥のウィジャジャ家で、資産は前年と変わらず108億ドルだった。5位のサリム・グループのアントニー・サリムの資産は前年から28億ドル増の103億ドルで、これは7月に上場した銅や金の鉱山会社アンマン・ミネラル・インターナショナルの株式が大きく寄与している。
6位は合成繊維分野の世界的企業インドラマコーポレーション創設者兼会長のスリ・プラカシュ・ロヒアで、資産は85億ドルとされた。7位は小売りとメディア、金融の3事業を主力とするCTコープの創業者のチェアウル・タンジュンで、資産は57億ドルだった。
8位の元銀行家のアゴエス・プロジョサスミットは、鉱山会社のアンマン社のIPOで資産を54億ドルに伸ばしてランクインした。
9位に急浮上したリム・ハリヤント・ウィジャヤ・サルウォノは、豊富なニッケル埋蔵量を背景に電気自動車(EV)向けのサプライチェーンを構築するというインドネシア政府の野心に後押しされ、ハリタ・ニッケルとして知られる鉱山会社トリメガ・バングン・ペルサダのIPOを成功させた。リムの資産は前年の4倍以上の48億ドルに急増した。
10位にはバヤン・リソーシズの少数株主のデウィ・カムが入り、資産は44億5000万ドルだった。
今年ランキング入りした富豪の最低資産額は、昨年の8億8500万ドルから9億4000万ドルに増加した。以下は、2023年インドネシア長者番付の上位10人とその資産額。
1位 ロバート・ブディ&マイケル・ハルトノ:480億ドル
2位 プラジョゴ・パンゲストゥ:437億ドル
3位 ロー・タック・クウォン:272億ドル
4位 ウィジャジャ家:108億ドル
5位 アントニー・サリム:103億ドル
6位 スリ・プラカシュ・ロヒア:85億ドル
7位 チェアウル・タンジュン:57億ドル
8位 アゴエス・プロジョサスミット:54億ドル
9位 リム・ハリヤント・ウィジャヤ・サルウォノ:48億ドル
10位 デウィ・カム:44億5000万ドル
本ランキングの詳細はフォーブス・アジアの英語版で確認できる。
(forbes.com 原文)