アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは12月14日、人類が太陽系を植民地化する場合は、他の惑星ではなく巨大な円筒形の宇宙ステーションに住むべきだと語り、商業宇宙分野で彼のブルーオリジンを圧倒的にリードするスペースXのイーロン・マスクとは異なるビジョンを提示した。マスクは火星に目を向けており、スペースXが火星の植民地化を主導して、2050年までに100万人を送り込みたいと語っていた。
コンピューター科学者でポッドキャスト番組司会者のレックス・フリードマンによるインタビューの中で、ベゾスは「太陽系に1兆人の人々が住んでいるのを見たい」と語った。
それだけの人数がいれば「1000人のモーツァルトと1000人のアインシュタイン」がいつでも存在し、太陽系が「生命と知性とエネルギーに満ち溢れたものになるだろう」と彼は語った。太陽系の資源はそのような文明を「容易に支える」ことが可能だが、それは人々が「巨大な宇宙ステーション」に住むことでのみ可能になる、とベゾスは述べた。
「惑星の表面はあまりにも小さすぎる」と彼は説明し、宇宙ステーションであれば、地球や他の惑星で暮らすよりもはるかに多くのエネルギーと物理的資源を活用できるだろうと付け加えた。
このような宇宙ステーションは、それを提案した物理学者ジェラルド・K・オニールにちなんで、しばしばオニール・シリンダーやオニール・コロニーと呼ばれるが、そこでの暮らしは惑星で生活するよりも多くの利点があるとベゾスは述べ、「好きな場所に設置」できるし、宇宙ステーションを回転させて人工重力を生み出すことも可能だと語った。
おそらくほとんどの人は地球の近くに住みたいと思うだろうが、現在のイエローストーン国立公園と同じように、休暇を利用して地球に向かう日が来るかもしれないとベゾスは予測した。
ベゾスは、2年前にアマゾンのCEOを退いた主な理由が、宇宙開発・航空ベンチャーのブルーオリジンに時間を費やすためだったと語った。ベゾスは、予定より数カ月遅れで間もなくロケットを打ち上げるブルーオリジンが「開発スピードを上げる必要がある」と述べ、「そうするつもりだ」と付け加えた。
ブルーオリジンは、2021年に最初の有人ミッションを実施し、ベゾスを宇宙空間のはじまりとされる高度100キロメートルの「カーマンライン」の上まで運んだが、同社の「ニューシェパード」ロケットは2022年にエンジントラブルで打ち上げに失敗した後、飛行を一時停止していた。
(forbes.com 原文)