「The king with MLK(トランプとキング)」と、SNSユーザーのドム・ルクレは12月17日(日本時間12月18日)にツイートした。
しかし、その画像はAIソフトウェアを使って生成されたものであり、本物ではない。トランプが、公民権運動の指導者で1968年に暗殺されたキング牧師と会った証拠はない。キング牧師が殺された時、トランプはまだ21歳だった。
ドム・ルクレという名前に聞き覚えがあるとすれば、それは彼のXアカウントが幼児虐待コンテンツを投稿し、削除される前に数百万人に見られたと報じられる国際的な問題となったからだろう。Xのオーナーであるイーロン・マスクは同アカウントが停止された後、復活させるよう介入したとされており、世界中の規制当局がXの運営について説明を求める一連の出来事の引き金になった。
オーストラリアの政治家たちは意見聴取を行い、Xのグローバル政府担当責任者であるニック・ピクルスが本件について質問された。ピクルスは、同アカウントは問題のコンテンツを「憤怒のあまり」シェアしたのかもしれないと話し、その場にいた当局関係者らを当惑させた。
トランプのフェイク画像がオンラインに出回ったのはこれが初めてではない。去る7月には、トランプとMLKのフェイク写真が少なくとも2枚、右翼インフルエンサーによってXで拡散された。
画像のウォーターマーク(透かし)から、このフェイク画像を作ったのは、過去にも前米国大統領に関わる偽りの歴史を作成したTrump_History45というXアカウントであるらしいことがわかった。
このトランプとキング牧師の画像を作成するために、どのソフトウェアが使用されたのかは不明だが、DALL-E、Stability Diffusion、Midjourneyなどの人気AI画像生成ツールを使えば、誰でも簡単なテキストプロンプトを入力するだけで現実感のある画像を作成できる。
(forbes.com 原文)