大失敗に終わった『The Last Of Us Online』開発 責任はソニーの戦略ミスに

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『アンチャーテッド』や『The Last of Us』などのシングルプレイヤーゲームで高い評価を受けてきたソニー傘下の米ゲーム開発企業Naughty Dog(ノーティードッグ)は、ある選択を迫られていた。何年も続けてきた『The Last of Us Online』の開発を継続するべきか、あるいは自社のトレードマークであるシングルプレイタイトル作りに戻るべきか──。そして同社はこの度、どちらの道を選んだかを明らかにした。

ノーティードッグは14日、『The Last of Us Online』の開発を中止すると発表した。同作は、これまで『The Last of Us Factions』とも呼ばれていた新作オンラインマルチプレイ専用タイトルだ。同社が出した長文の声明の最後には、ソニーとゲーム業界全体が現在抱えている大きな問題を浮き彫りにする厳しい一節があった。

「本格的な開発に向けて動き出したところ、私たちの目標がいかに壮大なものであるかが明確になった。『The Last of Us Online』をリリースし、サポートするためには、スタジオの全リソースを投入して、何年にもわたりローンチ後のコンテンツをサポートしなければならず、今後のシングルプレイゲーム開発に深刻な影響を与えることになる。つまり、私たちには2つの道があった。ライブサービスゲームのみのスタジオになるか、それとも、ノーティードッグの功績となってきたシングルプレイのストーリー型ゲームに集中し続けるか」

ノーティードッグはこの発表で、『The Last of Us Online』をサポートするためにライブサービスゲーム企業になることを拒否し、代わりに自分たちが得意なシングルプレイゲーム作りに注力すると明言したのだ。同社の直近タイトルである『The Last of Us Part II』は数多くの賞を受賞した作品であり、同シリーズからはエミー賞で24のノミネーションを獲得したテレビドラマも誕生した。

これは、ソニーの面目を大きく損なうものだ。ソニーは以前、今後数年間にわたりゲーム開発費の60%を12本のライブサービスゲームに充てると発表したが、後にその数は6本に減らされ、残りの6本は無期限延期になった。『The Last of Us Online』がなくなったことで、開発中のタイトルは5本に減ったとみられる。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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