大失敗に終わった『The Last Of Us Online』開発 責任はソニーの戦略ミスに

ただソニーは、ライブサービス分野でこれまでに膨大な数のタイトルが失敗してきたという事実と、そうしたゲームの開発と維持に必要なものを無視したようだ。失敗に終わった『Anthem』『Marvel's Avengers』『バトルボーン』というライブサービスゲームはいずれも、『Mass Effect』『トゥームレイダー』『ボーダーランズ』というシングルプレイタイトルで知られる開発スタジオが、自分たちの得意分野から大きく離れ、ライブサービスの野望を追い求めた結果だ。これらのスタジオは結局、以前と同じシリーズの開発に戻った。

ノーティードッグがしようとしていたことも、まさにこれと同じだった。ただ、ゲームを実際にリリースし、それを何とか成功させようと1~2年にわたり努力することはしなかったという点で異なる。これは良い決断だったが、そもそもこの道を進んだのは間違った決断であり、その結果、多くの時間と金と労力を無駄にした。その責任は、すべてソニーにある。

バンジーのノウハウさえあれば、シングルプレイゲームの開発スタジオがライブゲームを作れるようになるという考えは、そもそも現実的ではなかった。バンジー自身、現在運営している唯一のゲームである『Destiny 2』の収益とプレイヤーが減少し、大規模な人員削減と開発チームの士気低下に見舞われている。過去10年で最も成功したライブサービスゲームの1つである『Destiny』でさえも苦戦している現状は、この分野での成功がいかに難しいかを改めて示している。

ゲーム開発費の上昇に直面し、他社のライブゲームが利益を上げる中、ソニーのゲーム事業が課題を抱えていることはわかる。しかし、『The Last of Us Online』開発は大きな誤りであり、ソニーがこの路線を維持すれば、さらに多くの大型ライブサービスゲームが失敗に終わるだろう。この戦略自体が、開始前からすでに破綻し始めている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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