北米

2023.12.16 13:00

最高値更新で活況の米国株式市場の「勝ち組と負け組」

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約2カ月におよんだ米株式市場の上昇は12月13日、ダウ工業株平均が約3万7000ドルをつけ、史上最高値を更新したことで頂点に達し、金利の上昇にともなう下落を帳消しにした。
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直近の底値をつけた10月27日から今月13日までの間にダウは15%上昇し、この指数に含まれる30銘柄のうちの26銘柄がプラスのリターンを記録した。

ファクトセットのデータによると、この歴史的な上昇の間のダウのベスト・パフォーマーは、インテル(42%高)、ボーイング(40%高)、セールスフォース(31%高)、ゴールドマン・サックス(27%高)、ホーム・デポ(26%高)だった。

一方、10月下旬の底値から15%上昇したS&P500種株価指数は、カーニバル(66%高)が牽引し、同期間にトップのパフォーマンスを記録した時価総額が2000億ドルを超える銘柄には、半導体メーカーのAMDやブロードコムが挙げられる。
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ここで注目すべきは、2023年の上昇を牽引した「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる銘柄(アルファベット、アマゾン、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ)の同期間の平均上昇率が17%で、ハイテク株比率の高いナスダック指数の上昇率17%と一致し、あまり目立たなかったことだ。

それでもこれらの株は意義深い上昇を見せており、アップル、マイクロソフト、エヌビディアらは最高値を更新し、アップルは3兆1000億ドルという史上最高の時価総額を記録した。

ここ6週間のダウで最もリターンが低かった銘柄はシェブロン(4%安)とウォルマート(6%安)だった。S&P500の時価総額2000億ドル以上のワーストリターン銘柄は、11年ぶりの安値に沈んだファイザーとエクソン・モービルだった。S&P500のワースト銘柄の25社中の15社は、エネルギー関連で、原油価格の約10%の下落に見舞われたエネルギー業界の苦境を浮き彫りにしている。

この秋の株式市場の活況は、一連の経済指標がインフレがより受け入れやすいレベルまで冷え込みんだという見方を支持し、米連邦準備制度理事会(FRB)による金利の引き下げをサポートしている。FRBは、14日にインフレが「緩和している」ことを認め、2024年に3回の利下げを行うことを示唆し、株価を上昇させた。さらに、債券市場でも10年物米国債の利回りが、8月以来で初めて4%を下回ったことも市場から好感された。ゴールドマン・サックスのエコノミストのデービッド・メリクルは、顧客宛てのメモで今回の金融緩和が、しばらく続くと予想した。

ここで注目すべきは、14日時点で2021年の史上最高値の約4800を約1%下回る水準にあるS&P500が、ダウに続いて高値を更新できるかどうかだ。サビタ・スブラマニアン率いるバンク・オブ・アメリカのストラテジストは先日の顧客向けメモで、S&Pが2024年末までに5000に達すると予想し、大手のハイテク以外の銘柄にもより広範なリーダーシップがあると述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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