100人ほどの兵士が保持する陣地周辺に、900g程度の機体に450gほどの爆薬を載せたドローンが、82分に1回のペースで襲撃したということだ。
「ドローン戦争になっているわけですね」と、ウクライナ人の戦場記者ユーリー・ブトゥソウは、11月に行われたとされるインタビューで、ザムという第53旅団の中隊長に問いかけている。
「そうです」とザムは答えている。
This interview with one of the members of the Avdiivka garrison was recorded in November. "Zam", a company commander, has been in Avdiivka for many months now. He first saw massive Russian columns advancing on his positions on 10 October '23. This interview will give you an idea… pic.twitter.com/HSzF4UC1Ph
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) December 14, 2023
2カ月にわたる攻撃で、ロシア軍はアウジーイウカの北と南でそれぞれ1.5kmかそこら前進し、最近は町の南東にある工業団地も占領した可能性がある。しかし代償は大きく、ロシア軍は車両を数百両失ったほか、米情報機関の推計では1万3000人が死傷した。
損害が積み重なったことで、ロシア軍の指揮官は戦術を変更した。1カ月にわたってウクライナ側の地雷や砲撃、ドローン攻撃によって戦車やその他の戦闘車両を失い続けたあと、ロシア側は残存する車両の多くを温存し、歩兵を直接徒歩でアウジーイウカに向かわせるようになった。
ただ、これらの歩兵はウクライナ軍の戦車やM2ブラッドレー歩兵戦闘車にまみえ、撃滅されることもあった。そこでロシア軍の指揮官は、空からの攻撃に重点を移し、さらに多くの自爆ドローンや、擲弾を投下する大きめのドローンを投入するようになった。
ザムによると、インタビュー当時は後者のような爆撃ドローンの飛来は少なくなり、代わりにFPVドローンが増えていた。FPVドローンによる攻撃があまりに多いので、第53旅団は陣地に向かってくるドローンの飛行経路で、ロシア側の操縦士を判別できるほどになっている。「飛ばし方で操縦士を見分けられます」とザムは言う。