ドイツとオランダで逮捕された4人は、「ハマスの長年のメンバー」であり、ハマスの指導部と密接な関係にあると見られている。当局は、逮捕したメンバーの1人が、ハマスの指導部から、欧州のユダヤ人施設に対するテロ攻撃に使用する武器の倉庫を、ベルリンの地下に作るよう命じられていたと主張している。
デンマーク当局も同じ14日に、これとは別にテロ容疑で3人を逮捕し、さらにもう1人がテロを計画した疑いでオランダで身柄を拘束されたと発表した。ただし、デンマークの当局はこれらの容疑者とハマスとのつながりを特定してない。
しかし、デンマーク当局は、これらの逮捕者の背後にあるテロ計画についてほとんど情報を明かしていない。コペンハーゲンの当局者は、この事件が国外とつながりを持つ犯罪組織に関連したもので、警察はユダヤ人の関連施設に「特に重点を置いている」と述べただけだった。
デンマークの情報局は後にCNNに対し、デンマークでの逮捕者はドイツとオランダ当局による4人の逮捕者とは「直接的な関係はない」と述べた。
ハマスの幹部らは、逮捕された人物と同組織との関連を否定している。ロイターの取材に対し、ハマス幹部のサミ・アブ・ズーリは、「我々は、デンマークやドイツなどの欧州諸国でハマスのメンバーが拘束されたことを否定する」と述べ、当局がこのような疑いを発表するのは、欧州のパレスチナを支持する大規模な集会に影響を与えることが目的だと指摘した。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は声明の中で、「ハマスのテロ組織は、執拗かつ徹底的な活動を欧州に拡大し、これらの国々の安全保障に対する脅威になろうとしている」と述べた。
ロイターは11月、複数の欧州の治安当局者が、イスラム主義者によるテロ活動のリスクの高まりを懸念していると報じていた。米国では、FBIのクリストファー・レイ長官が12月5日に議会で、ハマスのイスラエル攻撃以来、テロの警戒レベルが「まったく異なるレベル」に達しており、「外国のテロ組織の紛れもない悪党集団が、米国に対する攻撃を呼びかけている」と証言した。10月の攻撃は、米国を含む世界中で反ユダヤ主義的な脅威が高まっていると報告される中で起きたことだ。
(forbes.com 原文)