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2023.12.15

LINEヤフーのNFT部門「LINE NEXT」が200億円を調達

LINEヤフー プレスリリースより

ソフトバンクとネイバーの合弁会社でNFTプラットフォームの企画・開発を行うLINE NEXT(ラインネクスト)は、NFTをめぐる熱狂が薄れる中で、PayPal創業者ピーター・ティールが出資したPE(プライベートエクイティ)ファンドのCrescendo Equity Partnersが主導するコンソーシアムから、1億4000万ドル(約200億円)を調達したことを発表した。

韓国を拠点とするLINE NEXTは12月13日の声明で、今回の調達がアジアで今年最大規模となるブロックチェーンおよびWeb3関連への投資だと述べた。同社はこの新たな資金を、NFTマーケットプレイスの立ち上げや、バーチャルアバターソーシャルアプリの導入、Web3ゲームの開発事業などの拡大に充てると述べている。

LINE NEXTのコ・ヨンスCEOは声明の中で、「世界的に投資環境が縮小するなかで、大規模な資金調達が決定したことに大きな意味があると感じています。今回の機会を通して、Web3の普及を加速させ、ユーザーがデジタルアイテムの価値を保有する新しいサービスエコシステムの構築を目指していきます」と述べている。

ソウルを拠点とするCrescendo Equity Partnersは、14億ドル(約2000億円)以上の資産を運用している。2012年に設立された同社の投資先には、半導体製造装置メーカーのハンミ半導体(Hanmi Semiconductor)や、世界で初めてヒト幹細胞治療薬を商品化したバイオテクノロジー企業のMedipostなどの韓国企業が含まれる。

NFTが爆発的な人気を博した2021年に設立されたLINE NEXTは、10月にヤフー株式会社とLINE株式会社などが再編されて生まれたLINEヤフー株式会社(LY Corp.)が所有している。LINEヤフー社は、孫正義のソフトバンクと、韓国のインターネット大手ネイバーの合弁会社として2021年に設立されたAホールディングスの傘下の企業だ。

LINE NEXTは2022年7月に、ソフトバンクやネイバーに加え韓国の小売大手の新世界(SHINSEGAE)、CJグループのエンターテインメント部門CJ ENMなどの投資家から約1000万ドルを調達していた。

しかし、デジタル資産の真正性を証明するための価値ある手段になると一部の人々が信じたNFTの熱狂は、長くは続かなかった。分析会社Dappradarのデータによると、ブロックチェーン上に記録されたこれらのデジタルアートや収集物の月間取引量は、2022年1月から2023年11月の間に94%減少した。また、上位10位のNFTの時価総額は、データ会社Nansenによると2022年2月のピーク時から72%急落している。

NFTバブルが崩壊したとはいえ、LINE NEXTはそんな中でも、新たなデジタル資産関連のプロジェクトを推進している。同社は過去1年間でK-POPスターのデジタルグッズを扱うNFTプラットフォームを立ち上げ、複数のWeb3ゲームをローンチした。LINE NEXTは、この1年間で550万人のユーザーを獲得し、累計取引件数は47万件を超えたと述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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