現物ビットコインETFに米大手銀行も参入の可能性 専門メディアらが報道

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ビットコインの価格は現在、2022年初頭以来で初めて4万ドル(約570万円)を突破している。そんな中、世界最大の資産運用会社であるBlackRock(ブラックロック)が申請中の現物ビットコインETF(上場投資信託)に関して、新たな動きが報じられた。

同社は、JPモルガンやゴールドマン・サックスといったウォール街の大手が、現金でこのETFに参加できるよう、提出済みの申請を更新したとされている。

約10兆ドル(約1420兆円)の顧客資産を運用するブラックロックは、11月下旬に提出済みの現物ビットコインETFの申請内容を更新した。この申請が承認された場合、暗号資産の保有制限がかけられているウォール街の銀行は、指定参加者(AP)としてこのETFに参加し、自社のバランスシート上で直接ビットコインを保有することを妨げる制限を回避できるようになる。また、APは暗号資産だけでなく、現金でも新たなファンド株を作成できるようになる。

この変更は、ブラックロックや、同社のライバルであるFidelity(フィデリティ)やGrayscale Investment(グレイスケール・インベストメント)、Franklin Templeton(フランクリン・テンプルトン)など、現物ビットコインETFの市場投入を目指す企業らが、次の承認ウィンドウの開始に向けて、米証券取引委員会(SEC)と会談を重ねる中で行われた。


これまでの見方では、現物ビットコインETFに参加するAPは大手銀行ではなく、暗号資産を扱った経験を持つ大手のマーケットメイキング企業になる見通しとされていた。しかし、今回の変更により、銀行がこの動きに加わり、流動性を広げる可能性があると、暗号資産メディアのCoinDesk(コインデスク)は報じている。

ブラックロックの現物ビットコインETFの申請に関与するCF Benchmarksのスイ・チャンCEOは、「SECが、現金と現物でETFを作成し償還するという、この修正された二重のモデルを受け入れた場合、ETF株式が取引される際の流動性が高まることになる」と、コインデスクの取材に述べている。

一方、ビットコインと暗号資産のトレーダーらは、ここ数週間の高騰を受け、市場の引き戻しに神経をとがらせている。

暗号資産取引プラットフォームのYouHodler(ユーホドラー)で市場責任者を務めるルスラン・リエンカは、「最近のビットコイン価格の調整は、10月中旬に始まった上昇の後の短期的な投資家やトレーダーによる利益確定のように見える」と述べている。

「この市場の規模が伝統的な金融市場よりも比較的小さいことを考えると、1日に6%から10%程度の価格の変動はさほど珍しいものではない。また、我々は、資金の引き上げが起きているとは考えていない。トレーダーたちは引き続き高まるリスクを受け入れている。このような理由から、近い将来さらに高いボラティリティが見られるかもしれないと我々は考えている」と、リエンカは述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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