ライフスタイル

2023.12.17 08:00

犬や猫と「言語の壁」を越えて絆を深めるため、心がけること

日下部博一
2070

ネコは真似してやると反応する

イヌと異なり、ネコの感情表現はもっと微妙であり、不快や喜びを常に明確に示すとは限らない。そのため、あなたの感情的な合図に対して、ネコがイヌと同じような反応を見せたり、あなたと同じ感情を表現することを期待してはいけない。

ネコには独自の個性と好みがあり、いつでも飼い主と交流したがったり、命令に従ったりするとは限らない。ネコの自主性と個性をより尊重することが、飼い猫があなたと良好で信頼しあえる関係を築くための助けとなる。

2021年に行われた定量的研究の調査では、ネコは人間と接する時、他のネコに対して使っているのと同じ合図のいくつかを、使用できることがわかった。たとえば次のようなものだ。

・尻尾を立てて友好的意思を示す
・頭をこすりつけて人間に自分の匂いをマーキングする
・目をゆっくり閉じて、リラックスと信頼を示す
・鳴いたり喉を鳴らして、注目や食べ物を要求する

興味深いことに、ネコは他のネコよりも人間に対してより頻繁に声をかけることがあり、鳴き声の高さや強さを変えることで異なるメッセージを伝えることがある。さらに、ネコは人間の気分や性格、嗜好に合わせて行動を変えることもある。たとえば、飼い主が憂鬱な気分でいるときには、より頻繁に鳴いたり体をこすりつけたりする。あるいは、女性や高齢の飼い主に対してより積極的に関わろうとすることがある。

ネコに話しかける時は、これらの合図に注意を払い、適切に対応する必要がある。たとえば:

・ゆっくりとまばたきを返して、飼い猫に信頼していることを示す
・穏やかな声とやさしい触れ方で、愛猫を落ち着かせる
・両眉を上げたり首を傾げたりして、好奇心や関心を表す

結論

イヌとネコは、それぞれの進化的背景を反映した、固有の方法で人間と関わり合う。ネコは、一般に、よそよそしくて、自主性が強く、人間の感情的な振る舞いによる影響を容易には受けない。一方イヌは、感情のこもったコミュニケーションを受け入れる能力が極めて高い。こうした違いを理解して適切に対応することは、ペットとの絆を深めるために不可欠だ。動物との効果的なコミュニケーションは、時には長い時間がかかるかもしれないが、価値のある交流をもたらし、彼らの純粋で言葉のない世界を垣間見ることができる魅力的な窓となることを忘れないでほしい。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事