ビジネス

2023.12.16 11:30

スタンフォードオンラインプログラムLEAD修了生の目に日本はどう映ったか

9月末、スタンフォードオンラインプログラムLEADの卒業生であるLEADers75名が来日し、「LEAD Tokyo Innovation Tour」に参加した。アメリカ、東欧、アジアを含む世界25カ国からの参加者を迎え、2022年アムステルダムでの初開催に続き、東京が第2回開催地として選ばれたのだ。このイベントは、日本のLEADersとプログラム・メンバーによって企画・開発されたもので、イノベーションのための意見交換やネットワーキングを目的としている。

初日のプレナリーでは、キーノートスピーカーとして経営学者の石倉洋子氏と脳科学者、茂木健一郎氏が登壇した。
以下、お二人のスピーチから抜粋した一部をご紹介したい。

石倉洋子(一橋大学名誉教授):

「不確実性に満ち、目まぐるしく変化する今日の世界情勢の中で、現在の日本はどのような立ち位置にあるのか?」そうした問いかけに「危機的な状況にある」としか答えらないのが現在の日本社会の現状である。その要因としては「高齢化が進む中での国全体としてのバイタリティー不足」や「周囲の人達と異なる意見を持ち、異なる行動を選択すると批判され、叩かれるという日本独特の習性」などが挙げられる。だからこそ、これから先の日本を担う若者たちには「広く世界を展望する視野を養い」、「異なる環境に身を投じて自分の力を試す行動力を身に着けてくれること」を期待したい。おびただしい情報が溢れる環境の中で、最も大切なことは「自分の頭で模索、選択し」「So what」「Yes I can」の思考法を身に着けることである。今では既に死語になりつつある「青年よ、大志を抱け」の心意気を胸に、常に挑戦し続ける若者がこれから先の日本を牽引していくことを願って止まない。イノベーションの担い手であるみなさんとの今回の関りが日本の若者たちにポジティブな影響を与えてくれることを大いに期待している」
次ページ > 茂木健一郎氏のコメント

文=賀陽輝代

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