4. 個人間の言語の違いに配慮する
ウィーン経済経営大学のマリーテレーズ・クラエス教授は「さまざまな国籍の人が参加するチームでは、言葉の違いが、争いごとの主な要因になるおそれがある」と指摘する。同教授は同大の組織内ジェンダー・多様性研究所の所長を務めており、CEMS MIM(CEMS Master's in International Management)と呼ばれる、世界の大学やビジネススクールのアライアンスが実施する修士号プログラムでも指導を行なっている。「『国際言語』とされる英語を話す人は多いが、英語の単語を、自身のネイティブ言語に寄せた意味合いで使っている人も多い」と、クラエス教授は指摘する。「そのため、言葉をかけられた側が、侮辱された、無視されたと感じているのに、当の言葉を発した側は自身の行動が悪感情を引き起こしたことに気づいていない、という問題が起きるおそれがある」
多様な文化的背景を持つメンバーで構成されるチームで、こうしたいさかいが起きるのを防ぐためには、メンバー全員が共通の理解を持ち、気後れせずに話の内容を確認できる環境を整える必要がある。
「誤解が生じた時には、すぐさま双方の当事者が、意図していたことを明確にすることだ。悪感情が高まらないようにしなければならない」とクラエス教授は述べる。
クラエス教授によれば、特に文化的背景が大いに異なる人と働く時には、同僚とのあいだで意味を確認することが非常に重要だという。同教授はこれを「有害な争いごとを防ぐための、小さくも重要な最初のステップ」と表現した。
(forbes.com 原文)