マスク自身は、暗号資産を発行する計画がないことを2度にわたって明らかにしており「超明確に言っておくと、私のどの会社も暗号トークンを作ることはない」と11月の投稿で述べていた。
しかし、マスクがこのトークンに関与していないからといって、彼がXトークンから利益を得ていないわけではない。というのは、この詐欺の首謀者たちは、9月の立ち上げ以来、Xの広告枠を買い続けているからだ。彼らはまた、広告キャンペーンに用いる膨大な数の認証済みアカウントを取得しており、その対価として数千ドルをXに支払っている。
Xトークンの広告は、ユーザーをマスクの会社のロゴをあしらったプロ仕様のサイトに誘導する。詐欺師たちはそのサイトで、総発行枚数が647万5000枚のXトークンのうちの約400万枚を1枚3.95ドルで販売し、累計1500万ドル(約22億円)を売り上げたと主張している。
Xトークンの運営者らは、最新のウェブサイトのドメインをマレーシアのクアラルンプールに本社を置くWhoisProtectionを経由して11月17日に登録した。このドメインを分析すると、スペースXをテーマにしたドメインや、バイナンスの創設者であるチャンポン・ジャオのニックネームの「CZ」を含むドメインなど、他の暗号資産関連の疑わしいURLとつながりがあることがわかる。Xトークンのサイトは、偽造パスポートやその他ID窃盗に使われる書類の地下マーケットとも関係がある。
Xトークンはまた、多数の認証済みのXアカウントを用いて宣伝を行っている。フォーブスは、9月初旬から11月25日までの間にこのトークンの広告を掲載した18のアカウントを特定した。そのうちのいくつかは、10万回以上のインプレッションを獲得していた。