つまり、サードパーティーのアプリストアには、グーグルとアップルから、公平な競争条件で運営するための余地が与えられなければならないということだ。デジタル市場法のスケジュールによれば、それは2024年中に実現されなければならない。
もうひとつの大きな取り組みは、米国でEpic Gamesが先陣を切った、アプリ内決済における手数料の要求に関して、アップルとグーグルを独占禁止法違反で訴える動きだ。これは3年以上にわたって続いており、Epicはアップルに対する訴訟には勝訴できなかったものの、裁判所はアップルに対し「開発者がアプリ内でサードパーティーの支払いオプションを提供することを許可する」よう命じた。
アップルは、オランダや韓国など、要求された一部の市場ではその機能を有効にしているが、米国ではその判決を不服として控訴している。だが、いずれにせよ、国際および国内の法律や訴訟との衝突は、徐々にしかし確実に、アップルとグーグルがテクノロジー史上最も収益性の高い市場のひとつを独占し続ける能力を失わせつつある。
これは何を意味するのだろう?
いずれは、デスクトップPCの時代のように、ユーザーはほとんどどこからでもアプリを入手できるようになるはずだ。そして最終的には、アプリのパブリッシャーは、デスクトップPC時代に常にそうであったように、独自の決済処理システムやサードパーティの決済処理システムを選択できるようになるはずだ。そうすれば、アプリの配信と収益化における競争が激化し、アップルとグーグルの手数料が引き下げられる時代が到来するだろう。
とはいえ、グーグルとアップルの両社は、しばらくの間、そしておそらく長い間、世界最大のアプリ配信者であり、決済提供者であり続けるだろう。彼らは良く知られているし、信頼されている。なぜなら、アプリに悪意のあるコードが含まれていないかを審査するための膨大な経験を持っているグーグルとアップルは、おそらく最も安全で手軽な選択肢であり、そして彼らはAndroidとiOSのシステムの奥深くにアプリ配信と収益手段を簡単に組み込むことができるからだ。
だから、これはApp StoreやGoogle Playに対する死の宣告ではない。
しかしそれは、両社がこれまで、モバイルアプリの世界の中心に座っていたことで、莫大な利益を得ることができた幸せな日々が、いくぶん豊かでなくなるという警告なのだ。そして、彼らが優れた効率的なサービスを提供し続けなければ、競争相手が現れるという警告だ。
これを実現するには、時間と法的な駆け引きが必要だ。しかし、裁判所や業界がその方向に向かっているのは明らかだ。
(forbes.com 原文)