AI

2023.12.30 18:00

ChatGPTの登場で急速に普及した「生成AI」、2024年はどうなる?

写真:Shutterstock

生成AIの1年:これまでの動きは?

OpenAIのChatGPTが発表されてからわずか数カ月後、マイクロソフトは自社の検索エンジンであるBingに、ChatGPTの要素を組み込むことを発表した。この発表は、Googleを検索エンジンのトップから引き摺り下ろすまでには至らなかったが、他の大手テクノロジー企業たちが生成AIの流れに加わるきっかけとなった。実際、BingとChatGPTのパートナーシップは、わずか数カ月の間に、無限とも思えるAI開発の波を起こした。以下にその一部を紹介しよう:

マイクロソフト

マイクロソフトは、Microsoft Dynamics 365とMicrosoft 365の両方に新しいCopilot(コパイロット)機能を追加するなど、OpenAIのサービスを提供する追加要素を発表した。
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Copilot機能は、ビジネスユーザーと一般ユーザーに対して、テキストの要約や編集、メールのよりカジュアルな文面の作成、データセットからの洞察の獲得、さらにはワードやエクセルといった他のマイクロソフトアプリで作成されたコンテンツに基づくプレゼンテーションの作成などを支援する。マイクロソフトは、猛烈なペースでポートフォリオ全体に機能を追加した。

グーグル

これに対して、グーグルの出遅れた発表は、ややぎこちないBard(バード)で始まったものの、最終的には負けてはいなかった。グーグルはCopilotに似た技術であるDuet(デュエット)の提供を開始した。DuetはGoogle Workspace(グーグルワークスペース)全体で生成AIの力を活用できるようにするもので、文章作成を支援したり、プレゼンテーションなどでカスタムビジュアルを作成することもできる。

グーグルはまた、開発者がAIや機械学習に精通していなくても、テキストや画像を使って独自の生成AIアプリを作成できる「Generative AI Studio」(ジェネラティブAIスタジオ)を発表した。12月初旬、グーグルはGemini(ジェミニ)を発表し、その印象的なデモはAI開発競争に一層の興奮をもたらした(一方、デモの実現可能性については疑問が提起されている)。

セールスフォース

セールスフォースはAI Cloudを発表した。これによって、コマースチームがカスタマージャーニーにおけるユーザーエクスペリエンスの向上に関する自動生成された洞察を要求したり、Eメール、ウェブ、モバイル向けにパーソナライズされたコンテンツを作成したり、カスタマーサービスチーム向けに返信を作成したり、顧客向けにパーソナライズされたEメールを生成したりといった、よりカスマイズされたCRM体験の提供が可能となった。同社は、プラットフォーム上で生成されるデータの安全性を中心にそのストーリーを構築してきた。
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翻訳=酒匂寛

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