ネトフリ、各作品の視聴数を初公開 23年上期1位は『ナイト・エージェント』

遠藤宗生

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ネットフリックスは12日、視聴者や制作スタジオの要求に応え、これまでで最も詳細な視聴データを開示した。それによると、全世界で2023年上半期に最も視聴された作品は、政治スリラーの『ナイト・エージェント』だった。

3月23日に配信が始まった『ナイト・エージェント』は、今年の上期(1月から6月まで)に世界で8億1210万時間視聴された。2~5位の作品は、上位から順に『ジニー&ジョージア シーズン2』『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』『ウェンズデー』『クイーン・シャーロット ~ブリジャートン家外伝~』だった。

「何が視聴されたか:ネットフリックス・エンゲージメント・レポート(What We Watched: A Netflix Engagement Report)」と題されたこのレポートは、タイトルやリリース日、世界配信の有無、視聴時間という4つの指標から構成されるシンプルな内容だ。ネットフリックスが視聴者数の詳細を開示するのは初めてのことだとブルームバーグは報じている。

ネットフリックスによると、今年上半期に配信されたオリジナル作品の60%以上が週間トップ10に入っており、それ以前にリリースされたタイトルも「持続力」を示している。例えば、2022年10月に配信した『西部戦線異状なし』は、2023年上半期に8000万時間の視聴時間を生み出していた。

また、英語以外の作品がグローバルの全視聴時間の30%を占めたという。

ネットフリックスのテッド・サランドス共同最高経営責任者(CEO)は電話記者会見で、過去16年間にわたる同社の視聴データの透明性の欠如が、脚本家やその他のクリエイターとの間の不信感につながっていたため、より詳細な情報の開示が求められていたと説明した。

視聴数のデータは、ネットフリックスが番組の打ち切りを決定する根拠になる可能性がある。同社は、番組の継続または打ち切りを決める判断材料として、視聴者数やシリーズ全体を視聴したアカウント数などの指標を挙げていた。

ハリウッドの脚本家たちは、今年の数カ月に及んだストライキでストリーミング配信会社に対し、賃金の底上げや、追加の報酬、番組の視聴数の透明性向上などを求めていた。

ハリウッド・レポーターによると、脚本家やスタジオ、ストリーミング配信会社が9月に達した暫定合意では、米国内の加入者の20%以上に相当する人数が、コンテンツを最初の90日間に視聴した場合に、脚本家にボーナスが支払われるという成功報酬の規定が盛り込まれた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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