宇宙

2023.12.13 14:00

ジェフ・ベゾスの宇宙旅行会社が打ち上げ再開、12月18日に予定

2021年10月13日、ニュー・シェパード・ロケットが離陸する様子(Photo by Blue Origin/Anadolu Agency via Getty Images)

2021年10月13日、ニュー・シェパード・ロケットが離陸する様子(Photo by Blue Origin/Anadolu Agency via Getty Images)

ジェフ・ベゾスが設立した航空宇宙企業ブルーオリジンは、早ければ米国時間12月18日に観光宇宙船「ニューシェパード」の打ち上げを実施し、宇宙ツーリズム事業を再開させる計画を発表した。同社は、昨年9月の無人の打ち上げを失敗させて以降、このプログラムを中断していた。

ブルーオリジンは「12月18日の打ち上げウインドウ」を目標に無人のニューシェパードの打ち上げを実施するとアナウンスした。このロケットには、宇宙でのデータ収集や実験を目的とした33個の貨物や、非営利団体「クラブ・フォー・ザ・フューチャー」からの宇宙へのポストカード3万8000枚が搭載されるという。

今回の打ち上げは、2022年9月の打ち上げで不具合を発生させて以降、1年以上にわたり宇宙プログラムを中断させていたブルーオリジンの宇宙ツーリズムへの復帰を意味する。同社のウェブサイトによると、ニューシェパードは宇宙観光用に開発された最大6人が搭乗可能な宇宙船で、飛行時間は11分とされている。

ニューシェパードは、2022年の無人飛行の失敗以前に、スタートレックの俳優のウィリアム・シャトナーやベゾス自身を含む30数名を宇宙空間に運んでいた。しかし、2022年9月のミッションで不具合を発生させて以降、ブルーオリジンは米連邦航空局(FAA)の監督下でその原因の究明に乗り出した。FAAは、9月に事故に関する調査を終了し、ブルーオリジンにエンジンとノズルの部品の再設計を含む21の是正措置の実施を求めていた。

12月18日の打ち上げにはFAAの承認が必要であり、このスケジュールはまだ確定したものではないとブルームバーグは報じている。

一方、ブルーオリジンの競合のリチャード・ブランソンのヴァージン・ギャラクティックは、その間も宇宙ツーリズム事業を継続させ、先月は6回目の商業飛行を成功させた。ニュースサイトArs Technicaは、ブルーオリジンのニューシェパードの維持・運用に年間1億ドルの費用がかかると試算していた。保有資産が1698億ドルとされるベゾスは、2017年に、ブルーオリジンの資金調達のために年間10億ドルのアマゾン株を売却する意向を表明していた。

ニューシェパードの宇宙旅行のチケットの正確な価格は不明だが、2018年の報道では少なくとも20万ドルとされていた。しかし、最初のチケットは、2021年のオンラインオークションで2800万ドルで落札された。

ブルーオリジンはまた、NASAが火星探査プロジェクトのために採用した大型ロケット「ニューグレン」の開発も続けている。このミッションの打ち上げ予定は2024年に予定されており、ブルーオリジンはこのロケットの開発に25億ドル以上を投資している。

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forbes.com 原文

編集=上田裕資

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