3. 魅力的なショッピング環境
店の雰囲気や商品の陳列方法も、感情と決定に影響を及ぼし、衝動買いを引き起こすことがある。たとえば、魅力的かつ戦略的に並べられた高級腕時計と、期間限定セールの掲示に遭遇したところを想像してほしい。店に入った時には時計など買うつもりがなかったにもかかわらず、通常価格の何分の1かで高級腕時計を買えるという誘惑は、「期間限定」セールが醸し出す切迫感と組み合わさって、衝動買いを促す。2019年の研究は、「1つ買ったらもう1つは無料」のような店内販売促進やディスカウント、クーボンなどが購入行動を促進することを発見した。一般に実店舗での購入の方が、オンライン購入よりも衝動的であるという研究もある。その理由は、実世界の環境が人の五感すべてに訴え、オンラインショッピングではなしえないレベルの刺激を与えているためだという。
2018年の研究によると、買い物客が予定外の出費を許容する割合は、実店舗では40%だったのに対し、オンラインでは25%だった。ただし同研究は、フェイスブックやインスタグラムのようなオンラインプラットフォームが、お気に入りのインフルエンサーや友達グループから得た商品の利点の視覚的刺激や社会的証拠が、衝動買いを促進する可能性があることも指摘している。
まとめ
衝動買いの心理を理解することは、自分の消費習慣に気を配り、精神的な健康を意識する手助けになる。衝動買いは魅力的かもしれないが、自覚と自己管理を高めることで、より意識的な購入決定を行い、買い物体験を後悔なく楽しむことができるようになる。(forbes.com 原文)