第47旅団が前線を離れてから間もなくして、第82旅団を含む反攻部隊は主攻撃を停止した。ちなみに第47旅団のほうは、早々に休息・補充を切り上げ、東部ドネツク州の町アウジーイウカ防衛の増援に向かうことになった。
確かにロシア軍はアウジーイウカ方面で、人員と装備に途方もない損害を出しながらもじりじりと前進している。また、ウクライナ軍も南部ヘルソン州でドニプロ川を渡り、左岸(東岸)に有望な橋頭堡を築いている。
とはいえ、戦闘が継続しているほかの場所では、両軍とも大きな前進はできていない。双方とも塹壕に隠れ、探りを入れ合い、砲撃や自爆ドローン(無人機)攻撃を応酬し、新たな兵力を動員し新たな装備を導入している。賢明なら、過去1年の戦争を省みているだろう。
ウクライナ軍にとって最大の教訓ははっきりしているだろう。ロシア軍の築城、主に地雷は、迅速な前進を果たすうえで、誰も予想していなかったほど大きな障害だということだ。
ウクライナにとって暗い話題は、軍の部隊がまだメリトポリを解放できておらず、そのかなり手前で足止めされていることだ。明るい話題は、部隊がなおストライカーやマルダー、レオパルト2、チャレンジャー2の大半を保有していることだ。ロボティネ周辺で破壊されたチャレンジャー2は、ウクライナ軍が失ったことが確実にわかっているチャレンジャー2としては唯一のものである。
これら残存している兵器はすべて、ウクライナ軍による今後の攻撃を支えていくものになるだろう。
もっとも、ウクライナ軍が反攻を再開した場合、前回よりもさらに強固な防御に出くわす可能性が高い。ロシア軍は地雷原が効果的だということを知っている。この冬、地面が凍り始める前に、地雷をさらに埋設する時間もあった。
ウクライナ軍が再度の反転攻勢で成功する可能性を高めるには、何かを変えなくてはならない。その変化とは、前進する旅団に地雷がもたらす深刻な危険を軽減することであるに違いない。
(forbes.com 原文)