『The Day Before』開発元が廃業 劣悪ゲーム発売から4日後

安井克至
最終的に出来上がったのは、奇妙で破綻したゲームだった。購入した素材を使って作られた『ディビジョン』風の街は、ほぼ空っぽで、1時間のプレイで遭遇するゾンビは3~4体程度。プレイヤー同士の対戦は不具合だらけで、サーバーの問題による障害が相次いだ。所持品をすべて失い、最初からやり直す必要があった人もいた。同作は、宣伝されていた内容とはかけ離れただけでなく、完全に壊れた状態でリリースされた。

ゲーム業界で今年、数千人が解雇されている中で、開発企業の1つが閉鎖されるのは、本来であれば嘆かわしいことだが、Fntasticはまったく話が別だ。同社が過去5年間にわたり何をしていたのかはわからないが、ゲームの内容について繰り返しうそをつき、宣伝していた内容とはまったく違う、壊れた製品を40ドルでプレイヤーに売りつけた。そして4日後、金を持って逃げたのだ。その金を「負債」の返済に使おうが関係ない。これは詐欺だ。同作は「存在」していたのかもしれないが、詐欺であることに変わりはない。同社のウェブサイトも完全に消え、廃業のメッセージに置き換えられている。YouTubeの公式チャンネルもすべて削除された。

『The Day Before』は最初から胡散臭かった。小規模なゲーム開発チームの多くは支援されるべきだが、この程度の規模で、知名度も非常に低い会社がAAA級のゲームを開発するという約束は信用できないことを、プレイヤーは認識しなければならない。このようなことは二度と起こってほしくない。

SEE
ALSO

エンタメ・スポーツ

『The Day Before』は本物のゲームと判明… ただし内容は詐欺レベル


forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事